米民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員の運転手を長年務めていたスタッフが、実は中国のスパイであったと伝えられました。
政治専門メディア「ポリティコ」は、ファインスタイン氏の事務所には中国の諜報機関によって採用されたスタッフがいて、カリフォルニア州の地元政治について中国に報告していたと報道。ただし、ポリティコは当該スタッフの名前や役割までは明らかにしていません。
諜報機関の元職員の情報筋によると、サンフランシスコ・クロニクル新聞に、当該スタッフは長年ファインスタイン氏の運転手を務めており、地元の中国領事館に情報を流していたそうです。
このスタッフは、運転業務の他にもファインスタイン氏のサンフランシスコの事務所で雑用係や、アジア系アメリカ人コミュニティの連絡係も務め、ファインスタイン氏に代わって中国領事館での催し物にも参加していたといいます。
スパイ活動は、このスタッフが親族訪問でアジアを訪れた際、悪名高い中国の国家安全部と関係のある人物と仲良くなってから始まったそうです。FBIは内密の情報を受けて捜査を行なったが、重要事項は何も中国側に暴露していなかったと結論づけたとされています。
「FBIが彼を取り調べました。ファインスタインが彼を退職させて、このことは終了しました」と情報筋は語りました。
ファインスタイン氏の事務所はコメントを控えていますが、スタッフの1人がサンフランシスコ事務所のスタッフは誰もセキュリティクリアランスを受けていないとポリティコに伝えました。
元FBI職員のジョッシュ・ハープ氏はCBSに、ファインスタイン氏がスパイ活動の対象になっていてもおかしくはないと言います。
「ダイアン・ファインスタイン氏と彼女の持っていた権限について考えてみてください。まず、彼女はここサンフランシスコにある中国人コミュニティにアクセスできたのです。これはかなり大きな政治的影響力です。また、ダイアン・ファインスタイン氏は依然としてワシントンDCにある諜報特別委員会と密接な関係にあります」とハープ氏は言います。
ハープ氏はサンフランシスコベイエリアでFBIの反スパイ担当として働いていました。
CBSによると、このスタッフはスパイ活動が発覚するまでファインスタイン氏のもとで20年近く働いていました。85歳のファインスタイン氏は、1992年以来カリフォルニア州の上院議員を務めており、その前にはサンフランシスコ市長(1978〜1988年)と市の行政官(1970〜1978年)を歴任してきました。