7月31日に開催された中国共産党中央政治局会議で、今年下半期の中国マクロ経済政策について話し合いが行われた。当局は、「雇用の安定化、金融の安定化、貿易の安定化、外資企業の安定化(外資企業の撤退を防ぐ)、投資の安定化と、経済の見通しを安定させる」「外資企業の中国での合法権益を守る」とのスローガンを掲げ、緩和的な金融政策と積極的な財政政策を実施する方針を示した。
一方、当局は、債務圧縮政策を継続し、「住宅価格の上昇」を断固として阻止していくとの姿勢を示した。
米中貿易戦の影響で中国経済は失速している。専門家は、中国当局が景気安定化に向けて政策を大きく転換したと認識する一方、景気下支え効果に期待できないと指摘した。
中国当局の経済政策方針は、新たな経済刺激策と捉えた。しかし、当局が引き続き不動産抑制措置を強化することに投資家の嫌気がさし、8月1日と2日中国株市場では株価相場が低迷した。
1日、主要株価指数の上海総合終値は前日比1.8%安の2824.53を付けた。不動産関連銘柄が約3.39%下落した。
2日、トランプ米政権が、2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税措置の税率を当初の10%から25%に引き上げる意向を受けて、上海総合は同2%安の2768.02ポイントを付けて取引を終了した。
中国中山大学の林江教授は、米ラジオ・フリーアジア(RFA)に対して、財政出動拡大と緩和的な金融政策による潤沢な流動性を実体経済に流れるよう、当局が不動産抑制措置を一段と強化すると示した理由だと分析した。31日、広東省深セン市と上海市が、住宅購入・住宅ローン規制の強化を発表した。
中国の経済学者の巩勝利氏は、財政出動による公共投資が拡大し、地方政府が抱える債務がさらに増え、金融リスクの拡大を警告した。また、当局の掲げる「債務圧縮政策」に相反すると、政策の矛盾を指摘した。
また巩氏は、米国の追加利上げ実施と米中貿易摩擦の激化で、「ドル」が米国に戻る勢いが加速し、人民元は対ドルで暴落する可能性が高まっている、「中国の景気低迷はますます深刻化する」と推測する。
(翻訳編集・張哲)
大紀元時報 エポックタイムズ より転載
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