上院情報委員会が、ウィキリークスの創設者を証人喚問

米上院情報委員会は、ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ氏を召喚する文書を送りました。非公開の聴聞会にて、議員からの質問に答弁するよう要求したものです。

8月1日付けの文書は、共和党のリチャード・バー上院議員と民主党のマーク・ウォーナー上院議員による連名で発行されたもので、この証人喚問は2016年の大統領選挙へのロシアの関与疑惑に対する上院情報委員会による調査の一部であるとしています。

ウィキリークスの弁護団は、「申し入れについて検討中であるが、証人喚問は高い倫理基準に準拠したものでなければならない」と発言しています。

ウィキリークスは、2016年の大統領選に先駆けて、民主党全国委員会(DNC)からのメールを公開しました。ヒラリー・クリントン氏がDNCと結託して、当時の大統領候補者であったバーニー・サンダース氏を追いやったとするこのメールは、クリントン陣営にとっては痛手となりました。

アサンジ氏は、ロシアはDNCのハッキングには関与していないという証拠があると主張しており、この件に関する情報を持っているが、まだ公開はしていないと話しています。

アサンジ氏の主張は、ロシアがDNCのハッキングの黒幕だとする上院情報委員会の調査結果とは相反しています。委員会は7月3日に情報委員会評価に同意して、ロシアの情報局が2015年7月にDNCのネットワークへのアクセスを開始し、2016年6月まで不正にアクセスし続けたと結論付けました。

アサンジ氏がDNCのメール公開で主要な役割を果たしたにもかかわらず、調査員がアサンジ氏と接触するのは、上院情報委員会の証人喚問が初めてということになります。

昨年9月に、アサンジ氏はツイッターにこう投稿しました「ロバート・ミュラー氏の捜査チームも、上院情報委員会も、ウィキリークスや私に接触してきたことは、いままで一度もない」。

ロバート・ミュラー特別検察官は7月、DNCをハッキングしたとして12人のロシア情報局員を告発しました。起訴状には、ミュラー氏がアサンジ氏と面談したとは示されていません。

アサンジ氏はまた、DNCの投票者拡大データの責任者であったセル・リッチ氏の死と、DNCのメール公開には関連があるとほのめかしました。リッチ氏を殺害した犯人逮捕へとつながる情報提供に20,000ドル(約220万円)の賞金をだすと発表し、その数日後には、汚職を暴露する際に内部告発者が直面するリスクを議論する場で、アサンジ氏はリッチ氏の名前をあげました。

「内部告発は、資料集めにたいへんな労力を使うし、たいへんな危険にさらされることも多い」とアサンジ氏は、2016年8月にオランダのテレビ番組Nieuswsuur で語っています。「DNCで働いていた27歳の若者が、後ろから銃で撃たれました。2週間前にワシントンで、道を歩いているときに殺害されたのです。動機はわかりません」。

リッチ氏が密告者なのかと尋ねる番組司会者に、アサンジ氏はウィキリークスは情報元を漏らすことはしないと答えました。リック氏は、ウィキリークスがメールを公開した12日後に死亡しました。

米国へ引き渡されることを恐れたアサンジ氏が、亡命を求めてエクアドル大使館に逃げ込んでからすでに6年。アサンジ氏は、現在もロンドンのエクアドル大使館に滞在、保護されています。

 
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