チベット観光名所「神の山」 現在もなお強制閉鎖中

中国政府はチベット自治区内の名山で、チベット人に「神の山」とよばれている年宝玉則山を今年4月から強制閉鎖している。観光客の立ち入り禁止はもちろん、現地チベット人による仏教活動もいっさい禁じられている。夏季は最適な観光シーズンだが、観光客の姿は見当たらない。

年宝玉則山は青海省果洛州境内にあり、当局は閉鎖の理由について「生態環境の破壊を防ぐため」としている。

インドに亡命したチベット人男性は、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して現地の状況を次のように話している。

閉鎖前は毎日およそ1000人の観光客が訪れていた。現地寺院の僧侶やチベット人は、山での仏教活動を禁止する当局に対して、「宗教信仰の自由への抑圧・侵害だ」と強い不満を抱いている。いっぽう、当局の監視をくぐり抜けて夜中に山を訪れて仏事を行う地元民も少なくないという。

山の最高峰は高さ5,380メートル。およそ360の湖に囲まれ、その雄大な自然風景は内外で有名。チベット族の間では、絶大なパワーを持つ「神の山」と敬われている。

 
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