InfoWarsのホスト、アレックス・ジョーンズ氏は、ここ数日の間にいくつかの技術系最大手企業との間の闘いに敗北したかもしれませんが、彼のアメリカのメディア、過激主義者、そして「全体主義」との間の闘いは終わっていません。実際、この表現の自由の活動家のApple、Facebook、Googleのプラットフォームからの追放は、かなり裏目に出ているようです。
InfoWarsは拡大を続けました。InfoWarsのホスト、ジョーンズ氏のアプリがニューヨークタイムズ、CNN、フォックス・ニュースを抜いて、Appleのニュースアプリチャートで8月8日までに3位に急上昇しました。InfoWarsがポッドキャストから追放される1日前には45位でした。
なぜInfoWarsは追放されたのか?
YouTube、Spotify、そしてApple iTunesは、InfoWarsの主要な番組を閉鎖しました。FacebookやLinkedIn、Pinterstなどの技術系最大手企業が「ヘイトスピーチ」違反だと判断した、ジョーンズ氏のポッドキャスト、記事、動画、プロフィールなどもことごとく閉鎖されました。
アレックス・ジョーンズ氏は議論の真っただ中にいました。そして、彼のとっぴで、ときに根拠のない主張から「陰謀論者」と称されていました。例えば、彼は2012年に起きたサンディー・フック・スクールでの銃乱射事件を「でっちあげ」で、メディアは不正確で踊らされていると主張しました。ちなみに、彼は後にこの発言をYouTubeをとおして撤回し謝罪しています。
「後から考えると、確かに起こったのかもしれません」とジョーンズ氏は銃撃事件について見解を改めました。
それでも、多くのインターネット上のメディアはこのラジオショーのホストに「陰謀論者」というレッテルを貼り、彼について否定的な報道を繰り返してきました。2012年の事件に関して見解を改めたことには触れずに、彼はヘイトスピーチの罪を犯しているという報道を強化してきました。
しかし、ある人にとっては「ヘイトスピーチ」でも、別の人にとては「自由な発言」です。
TwitterのCEOのジャック・ドーシー氏は、InfoWarsを追放しないと頑として決意しています。「理由は簡単です。彼は私たちのルールに違反していないからです」とドーシー氏は言います。
「もし私たちが、私たちが政治的見解に関わらず公平に運用している原則を貫かずに、外部からの圧力に屈してそのとおりに対応すれば、私たちは、どんな方向にも傾きうる個人的な見解によって動かされたサービスになってしまいます」と彼は加えます。
もしTwitterがそういう意見なら、なぜ断固としてジョーンズ氏を拒絶する他の技術系最大手企業の数々は彼を追放したのでしょうか。もちろんこの追放は政治的理由によるものではありません。
「なにが具体的にヘイトスピーチ政策に違反するのですか?」とザ・デイリー・ワイヤーのホストのベン・シャピロ氏は8月6日の動画で尋ねました。保守系のシャピロ氏は、トランスジェンダーの人たちを彼らの生物学的な性で呼んだことで、ヘイトスピーチ違反だと責められています。
アレックス・ジョーンズ氏、反撃する
ジョーンズ氏は、彼の非常に人気のあった番組が閉鎖されたことを「組織的な共産主義スタイルの弾圧」であると述べています。ジョーンズ氏は「共産主義の中国」に非難の矛先を向けています。彼の主張によると、強制的に大量の罪のない法輪功の修煉者たちの臓器を摘出していることが明らかになった中国共産党政権がアメリカの自由を破壊するためにこっそりと技術系最大手企業や過激主義者と一緒になって活動しており、言論の自由を組織的に否定しているとのことです。
例えば、8月6日のYouTube番組WWE Shootsで、ジョーンズ氏は「中国は世界主義者、民主主義者、EU、イスラム過激派と同盟を結んでこの国をやっつけようとしています。彼らは私たちのことを非常に恐れています。なぜなら私たちが彼らの陰謀を暴いているからです。これが問題の核心なのです」と言いました。
彼はGoogleにも言及しました。
「Googleは中国のために巨大な検閲検索エンジンを作っています。そして、Googleの内部告発者によると、それをアメリカで使用する準備をしているとのことです」
「実際、彼らはアメリカの保守系の人々、ナショナリスト、そしてトランプ氏の支持者たちを対象にして、検閲システムの様々な部位のベータテスト(市場に出す前の最終テスト)をしているところです」
ジョーンズ氏は、共産主義者たちは米国憲法修正第一項を破壊しようとしていると言います。
人々の反応
あるYouTube利用者は、ジョーンズ氏の発言に対して、「私はアレックス・ジョーンズ氏がこれまで言ってきたことにすべて同意しているわけではありません。しかし、FacebookとYouTubeはInfoWarsが堕落した主流のメディアにとって脅威になっているという理由で彼を追放した」と投稿しました。
「だから、オバマ氏が大統領だったときには、私たちはイスラム武装勢力が斬首するところをYouTubeで観ることができました。それでも、アレックス・ジョーンズ氏の言論の自由は検閲されているのだ」と別の投稿者はコメントしました。
中には、2016年の大統領選挙でトランプ氏の宣伝をしたジョーンズ氏の影響が2018年の中間選挙にも及ぶことを恐れて、あらかじめ彼を黙らせたのではないかと考える人たちもいます。
なによりも人々に疑念を抱かせたのは、大手インターネット企業による差別的で計算されたかのようなInfoWarsの閉鎖(すべての企業が数時間の間に一斉に閉鎖しました)でした。
アメリカの価値観は危機に瀕しているのか?
How the Specter of Communism Is Ruling Our World(私たちの世界を支配する共産主義の亡霊)という本の第1章には、「悪魔は人々の情報源、主にメディアをあらゆる手段を使ってコントロールすることで、人々を欺く。悪魔が政治的権力を持っている国では、メディアは共産党によって運営された宣伝組織である。いたるところで、悪魔は表現の自由の名のもとに深刻なリポートや議論をフェイクニュースや下品なコンテンツ、そして取るに足らない扇情主義の山の中に埋もれさせてしまうのである」と書かれています。
上記の本の記述がトランプ大統領と彼の政権について過剰に否定的なそして多くの場合事実に反する報道をするニュースメディアに当てはまったとしても不思議ではないでしょう。
それに加えて、第5章のパートⅠには、「アメリカの政治、教育、メディア、そしてビジネスは高い地位にある個人によって過激な方向へかなり傾いている」と書かれています。
そして、同じ章のパートⅡには、「いくつかの国々は、『ヘイトスピーチ』の定義を広げ、法律で規定し、学校やメディア、そしてインターネット企業が従うように強制した。これは、共産主義の国々で見られる言論に対する拘束と同じ方向に向かっていることを示している」と書かれています。
InfoWarsのプラットフォームの劇的な縮小により、アレックス・ジョーンズ氏が発言の場を失ったことは、多くの人々、アレックス・ジョーンズ氏のファンではない人々にとっても懸念すべきことです。なぜなら、ジョーンズ氏が標的にされたということはすなわち言論の自由が標的にされたということだからです。