中国江西省で断行されている「土葬撲滅運動」が、住民からの大きな反発を招いています。住民らは当局が住民から没収した棺桶を壊した後、どう処理しているのかと疑問を呈していますが、一部の材料が現地の家具市場に横流しされているとの情報もあります。
荷台いっぱいに積み込まれているのは分解された棺桶。付近には電話番号の書かれた看板が立っています。この動画が最近ネットに流出し注目を集めています。
カン州市当局は8月6日、市民からの通報を受け、警察がこの棺桶材を運んでいた業者を調査しており、家具市場への棺桶材の横流しはないと発表しました。
しかし、当局が押収した車両は青色のトラックで、車体にはカバーが掛けられていました。ネット上に流出した動画に映っていたのは南康の赤色のトラックで、棺桶材は無造作に積まれています。さらに、動画に出てくる荷主の名前は陳でしたが警察が摘発した人物の名前は廖(りょう)でした。廖永剛は「南康ニュース」テレビで、友人のつてで吉安を訪れ、棺桶材と値段を見て南康で売れば儲かると思い購入したと話していました。
これについてあるネットユーザーは、土葬撲滅運動が始まってすぐから棺桶の処理方法を疑問に思っていたが、まさか家具の材料にされていたとは、と話しています。またあるユーザーは、いわゆる改革運動はすべて官民癒着の温床で、共産党政権における中国の永遠の法則だと語っています。
北京の時事評論家、華頗(かは)氏は「官民癒着は必ずあります。棺桶材を強制没収したのは当局ですから、棺桶を処分する段階で当局が業者に売ったわけです。業者を逮捕したというが、売った側は何の追及も受けていません」と話しています。
華氏はまた、共産党政権の成立以来、葬儀改革を含むすべての運動が金儲けの手段になった、だから役人は改革に労力を惜しまないといい、「こうした役人は上も下も改革に絡んでいます。利権が転がっているからです。葬儀改革でも金儲けのルートを見つけています。報道によると、一番の勝ち組は江西省の民生部門です。彼らは省内の火葬場をあっという間に独占してしまいました」と指摘しています。
ラジオ・フリーアジアは複数の消息筋の話として、江西省の上層部による葬儀改革計画は世論の反発を受けても全く揺らいでおらず、上層部はさらに下層部にはっぱをかけ、改革が停止されるというデマを流した人物を法に従い追及する責任があると指摘したと報じています。