世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップによると、米国の民主党支持者は、資本主義に比べて社会主義をより支持していることが明らかになりました。これは、2010年にギャラップ社がこの質問に対する調査を開始して以来、初めてのことになります。
調査によると、民主党支持者、もしくは民主党寄りの人のうち、57パーセントが社会主義に賛成であるという結果が出ました。一方、資本主義に対しては47パーセントが賛成であると回答しています。2010年の調査結果では、社会主義、資本主義それぞれに対して53パーセントが賛成であると答えています。2016年には、58パーセントが社会主義に、56パーセントが資本主義に賛成であると回答しています。3パーセントのサンプリング誤差があることを考えると、これは統計的には大きな差ではありません。
共和党支持者の場合は、71パーセントが資本主義を支持し、社会主義を支持したのは16パーセントにすぎませんでした。これは、2010年の結果とほぼ変わりません。
「民主党支持者および民主党寄りの無党派層が、社会主義をどのように考えているかは、昨今の政治環境においては、特に重要であると思います。なぜなら、民主党はより社会主義的な方向へと向かっていると見る人が多いからです」と、ギャラップの編集長フランク・ニューポート氏が、8月13日に発表された調査結果で述べています。
2016年の大統領選の民主党の候補者として民主社会主義者であるバーニー・サンダース氏が、ヒラリー・クリントン氏に「戦いを挑ん」だことと、アメリカ民主社会主義者の一員であるアレキサンドリア・オカシオ‐コルテス氏が、ニューヨークの下院14選挙区において民主党の候補者の座をつかんだことを挙げています。
しかし、8月7日の予備選挙では、オカシオ‐コルテス氏が支持した改革派の候補者たちの多くが落選しており、「民主党支持者の社会主義への支持の深さに対して疑いが出てきた」とニューポート氏は述べています。
概して、多くの米国民は社会主義を支持していません。37パーセントが支持しているのみです。しかし、民主党支持者の資本主義からの転換は、米国民の資本主義に対する支持を減らしました。前回の調査で、56パーセントの米国民が資本主義を支持していましたが、これは60パーセントであった2016年の調査結果から減少しています。
社会主義は「生産手段の共同所有」であり、歴史的に見ると医療や教育、産業、メディア、土地、資源など、人間の暮らしの中の様々な局面における国家管理へと解釈されてきました。著名な社会主義者たちは、社会主義は共産主義への過渡期であると推し進めてきました。共産主義は、よりディストピア的概念なのです。
調査は、1,505人の18歳以上の成人を対象に、7月30日から8月5日までに行われました。