【中国】秘密の儀式で、来世はアメリカ人に生まれ変わることを保証?

最近、貿易をめぐって米中関係に緊張感が走っていますが、中国の人々のアメリカ移住の夢はやはり捨てられないようです。中には、来世はアメリカ人に生まれ変わりたいと願っている人さえいます。

8月6日のインターネット投稿によると、中国の雲南省昆明市にある寺院「圓通寺」が、亡くなった人のために特別なサービスを始めたそうです。追加費用500元(73ドル、約7300円)を払えば、亡くなった人がアメリカで生まれ変われるように保証する儀式を行ってくれるというサービスです。

圓通寺は昆明市でも最も古い仏教寺院の一つで、1200年以上の歴史があります。仏教では、人間は死んでも輪廻転生すると言われています。

国営のウェブサイトYunnan.cnの記者が8月6日に圓通寺を訪れ、投稿の信憑性について確認したそうです。その結果、寺院のスタッフから「それは単なるうわさで、そんなことはない」と言われたそうです。

記者はさらに、中国共産党管轄下にある雲南省民族宗教委員会にも問い合わせました。担当者は、このうわさは10年前からあり、数年ごとにインターネット上で出回っているが、事実でないと答えました。

昆明市当局公認の仏教協会は、人々に詐欺に気をつけるようにと呼びかけました。

今回のこの噂は、いかに中国人がアメリカンドリームにあこがれているかを示しています。ギャラップ社が2012年、世界中の自分の国を離れたい人を対象に行った調査によると、1億5000万人がアメリカに移住したいと回答。うち2200万人が中国人で、1位でした。

中国の胡潤研究院(Hurun Research Institute)が今年の3月から6月にかけて行った調査によると、海外移住を考えている200人以上の中国人富裕層が住みたい国の一位がアメリカで、イギリス、アイルランド、カナダがそれに続きました。

今回の噂について、多くのネットユーザーも同じ考えを示しました。「多くの人が中国を離れることを望んでいる。彼らは現世はもう無理なので、来世は中国で生まれ変わらないことを願っている」とあるユーザーはコメントしました。

寺院の新しい「ビジネス」を皮肉る人たちもいます。「海外移住の最も簡単で最も信頼できる方法は、自殺してから、500元払ってアメリカ国籍をもらうことだ」

近年、中国では多くの地方政府が寺院やその他の宗教施設を資金源ととらえ、精力的にこれらの施設を観光地化してきました。結果的に、多くの寺院が商業施設と化しました。

 
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