中国の全国新築住宅価格、7月は2年ぶりの高い伸び 中小都市でブーム

[北京 15日 ロイター] – 中国国家統計局が15日発表したデータに基づくロイターの算出によると、7月の中国主要70都市の新築住宅価格は前月比1.1%上昇した。伸び率は6月の1.0%から拡大し、2016年10月以来、ほぼ2年ぶりの高水準となった。価格の上昇は39カ月連続。

中・小規模都市が価格の上昇を主導。不動産バブルを煽ることなく中国経済にテコ入れするという、政策担当者らが抱える課題の難しさを浮き彫りにした。

2016年と2013年前半の住宅ブーム時を除くと、前月比の上昇率が1%を上回るのは非常にまれ。

前年比では5.8%上昇。6月の5.0%から伸びが加速した。こちらは2017年9月以来の大幅な伸びだった。

2年以上に及ぶ不動産ブームを抑えるため規制が強化されているにもかかわらず、中国の不動産市場は過熱している。

価格上昇率が大きかったのは「三線都市」と呼ばれる35都市。北京、上海、深セン、広州の4大都市と「二線都市」と呼ばれる省都を含めた31都市の伸び率は、より控えめだった。

中国住宅価格の予想外の底堅さは、既存の購入規制をかいくぐる抜け穴の存在も示唆している。

中国は6月後半、年内に30の主要都市で不動産を巡る不正の取り締まりを再開すると表明。複数の地方政府は企業による購入を制限する新ルールを発表した。

中国招商証券のアナリスト、Zhang Yiping氏は住宅価格統計の発表後、「今は既存の規制を緩めるに適したときではない。政策担当者は不動産規制の強化を続けるべきだ」と述べた。

7月は主要70都市中65都市で価格が前月から上昇。6月の63都市からさらに増えた。

西南証券のアナリスト、Yang Yewei氏は、住宅在庫の減少と依然旺盛な需要が重なり、住宅の供給不足に拍車が掛かっていると指摘した。

アナリストの間では、中小企業の金融支援拡大に向けた中国政府の取り組みの余波で不動産セクターの需要が拡大し、住宅販売が加速しているのではないかとの声も出ている。

政府は不動産規制を維持する姿勢を変えていないものの、米国との貿易戦争の影響を抑えるために経済への資金供給を増やしており、不動産開発業者の資金調達環境も改善しているもようだ。

中国国家統計局の発表に基づくロイターの算出によると、7月単月の中国不動産投資は前年同月比13.2%増と、2016年10月以来の高い伸びとなった。

また、7月単月の不動産販売(床面積ベース)は前年比9.9%増となり、6月単月の4.5%増から伸びが大幅に加速した。

7月は海南省のリゾート地三亜市(三線都市)の住宅価格上昇率が前月比3.7%で全都市中最高だった。

三線都市全体の上昇率は前月比1.5%で、6月の0.7%から倍以上に加速した。

 
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