中国広東省で21日、「城管」と呼ばれる治安要員が露天商に刺し殺される事件が新たに発生した。インターネットには目撃者が撮影した一部始終の映像が投稿された。近年、中国では同様の事件が多発している。
事件は同省佛山市内で21日午後3時ごろに起きた。目撃者らの情報によると、自転車で豆乳を売り回る行商人の男が、城管2人と口論になりもみ合いになった。男はナイフで一人を刺殺し、もう一人は現場から逃げたという。
現地公安当局の当日夜の発表によると、犯人は48歳の男で、すでに自首した。亡くなったのは38歳の城管。詳しい状況は現在も調査中である。
インターネットでは、犯人が路上に倒れていた制服姿の城管を長い刀で何度も切りつける数秒間の映像が投稿された。
城管は露天商の無許可営業や違法駐車などを取り締まる政府機関・都市管理局の職員。公務執行時に露天商に暴行を加えたり、金品を要求したり、その横暴ぶりに市民の反発が高まっている。双方が衝突し死傷事件に発展するケースが相次ぎ、中国社会の不安材料の一つとも言われている。
6月23日、広西チワン族自治区桂林市の違法建築取締現場で、村民が城管一人を刺殺した事件が起きたばかり。
2013年9月、城管2人を刺殺した露天商の死刑が執行された際、市民の間では「高官たちは殺人しても死刑にならないのに」と不満の声が噴出した。