中国で一般市民が「城管」と呼ばれる治安要員を撲殺する事件が相次いでいる。今月21日、広東省で露天商が治安要員を刺殺したのに続いて、29日、貴州省で「公務」執行中の城管3人が乗用車にはねられて死亡、10人が負傷する事件が起きた。
現場は貴州省織金県の農村部。地元城管大隊がいわゆる「違法建築」を強制撤去する際に、現地の村民たちと衝突した。一人の男が乗用車を運転して、城管たちを次々と跳ね飛ばした。
男はその場で現行犯逮捕された。
現地政府の発表では、亡くなった3人は全員城管で、2人は即死、1人は病院に搬送されたのち死亡した。負傷した10人のうち、7人は城管だという。
ソーシャルメディアに、事件現場を映した写真や映像が投稿されている。
城管は、露天商の無許可営業や違法駐車などを取り締まる政府機関・都市管理局の職員。公務執行時に市民に殴る蹴るの暴行を加えたり、金品を要求したり、その横暴ぶりに社会の批判が高まっている。双方が衝突するケースが多発し、中国社会の不安材料の一つとも言われている。
ネット上の情報を集計したところ、6月下旬以来、計6人の城管が撲殺された。