[東京 5日 ロイター] – 台風21号の影響で滑走路が浸水した関西国際空港(大阪府)では5日朝、孤立した利用客ら3000人の輸送が始まった。5日は同空港を発着する全便が欠航し、運用再開は未定という。
共同通信によると、この台風による死者は10人、負傷者は21府県で約290人となった。
台風と高潮の影響で滑走路の1つが浸水した関西国際空港では、強風にあおられたタンカーが4日午後に空港と本州をつなぐ連絡橋に衝突し、孤立した利用客約3000人が空港で一夜を明かした。NHKによると、5日朝から大阪湾を挟んだ神戸空港へと利用客を運ぶ高速船のピストン運航が始まった。
同空港よると、安全確認のため5日は全便が欠航する。報道によると、運用再開の見込みは立っていないという。
非常に勢力の強い台風21号は4日正午ごろ、徳島県南部に上陸した後、午後2時ごろに神戸市付近に再上陸した。消防庁によると、各地で100万人超に避難勧告が出された。台風が非常に強い勢力のまま日本に上陸するのは1993年の台風13号以来、25年ぶり。NHKによると、一部地域では1961年の第2室戸台風以来、最高となる潮位が観測された。
関西地方では、7月の西日本豪雨で大きな被害が出ていた。
台風はその後、日本列島の日本海側を北進し、5日午前にロシア極東のサハリン付近で温帯低気圧に変わった。
関西電力によると、台風の影響で2府6県で延べ約218万世帯で停電が発生し、5日午前9時現在、約57万世帯が復旧していないという。NHKによると、停電している世帯数は関西を中心に100万世帯を超えている。
経済産業省によると、JXTGホールディングス<5020.T>が堺製油所で一部施設の稼動を停止した。台風で冷却塔の一部に被害が出たためという。