最近、中国湖南省耒陽市で、学校教育をめぐって保護者たちが大規模デモを起こしました。鎮圧にあたった警官隊とデモ隊が激突し、46人が一時、身柄拘束されました。大勢の市民が警察署の前で抗議したものの、最終的に強制退散させられました。
最近、耒陽(らいよう)市政府は公立学校の1クラスあたりの人数が定員を超えたとして、5、6年生を私立の小学校に転校させると通達しました。しかし、保護者によると、私立学校の学費やその他の費用は公立学校のおよそ10倍で、さらに改築したばかりの校舎や宿舎からは強い毒性を持つホルムアルデヒドの刺激臭がしたといいます。
新学期が始まった9月1日、多くの保護者が市政府、市教育委員会や小学校などで横断幕を掲げ抗議しましたが、当局は応じません。2日午前0時30分ごろ、警察はデモ参加者46人の身柄を拘束しました。その結果、さらに多くの市民が警察署に集結し、拘束された市民の解放を求めました。
現場の様子を映した映像もネット上に投稿されました。警官隊はデモ参加者を取り囲み、警棒で容赦なく殴り、血を流して倒れている人もいます。また、警察に囲まれて殴られる父親を目の当たりにして、女の子が泣き叫んでいます。
大規模デモは2日の夜にも続き、事態の悪化を懸念した湖南省当局は、近隣都市からも警官隊を派遣しました。3日には、市内の一部地域が封鎖され、通行禁止になっているとのことです。
地元政府によると、公立学校の740クラスで、国が定めた定員65人を超えており、定員オーバーの10,700人のために新たにクラスを立ち上げる資金がないため、私立学校への転校を決めたとのことです。