【動画ニュース】中国の拘置所で生産したむきニンニク 海外に輸出

イギリスのフィナンシャル・タイムズによると、中国江蘇省の拘置所で収監者たちによって生産されたむきにんにくが、海外に輸出されています。

画面に映っているのは、江蘇省の沛県拘置所です。フィナンシャル・タイムズは釈放された元収監者の話を引用し、拘置所で収監者たちが素手でにんにくを剝いていると報道しました。長期にわたってにんにくを素手で剝いているため、多くの収監者は爪が損傷し、指先がヒリヒリし、その苦痛は言葉で形容できないほどだと言います。一部の収監者はノルマ達成のために、歯でにんにくの皮を剝くしかないそうです。

皮を剝いたにんにくはその後、山東省の金郷県(きんきょう-けん)に運ばれ、袋詰めされてから海外に輸出されます。金郷県は中国国内最大のニンニクの産地として知られ、その輸出量は全国の7割を占めるそうです。

迫害追跡国際組織 汪志遠さん

「これらの奴隷労働製品は、収監者に対する人権侵害であるだけでなく、消費者の健康にも影響を与えかねない。収監者らは想像を絶する劣悪な環境の中でこれらの製品を作っている。さらに、多くの収監者が伝染病などにかかっており、治療を受けることもできない。製品を通じて病気が伝播されかねない」

中国では2014年から強制労働教養所が廃止されていますが、刑務所や拘置所などでは依然として強制労働が強いられています。

今年1月の明慧(ミンフイ)ネットの報道によると、寧夏回族自治区の固原市拘置所では、法輪功学習者たちが、毒性の強い染料を使った造花の生産を強いられています。

また、3月の報道によると、瀋陽女子刑務所では、第一監区だけでも1億元、日本円でおよそ16億円のノルマが課せられており、70代の高齢の法輪功学習者を含む収監者全員が、輸出用衣料やバッグなどの生産加工を強いられているとのことです。

元遼寧省瀋陽市司法局康家山刑務所の看守 雷鳳春さん

「刑務所はどこも同じで、輸出製品は大部分を手作業で行う。各隊が請負の形式を取っている。利益のうち一部を上納し、残りは個人の懐に入る」

迫害追跡国際組織 汪志遠さん

「奴隷労働は給料がもらえない。巨額の利益が出るため、刑務所への誘惑は大きい。一方、収監者は超負荷で労働を強いられる」

中国で強制労働は珍しいことではありません。フィナンシャル・タイムズによると、近年は人件費の値上がりや労働人口の減少などにより、一部アメリカ企業の下請け企業などがコスト削減のために、刑務所で製品を生産し始めているとのことです。

米下院議員 ダナ・ローラバッカー氏

「(中国共産党は)囚人を奴隷扱いしているが、これは犯罪行為だ。銀行家の協力を阻止せねばならない」

アメリカでは2016年から、強制労働による製品の輸入を徹底的に禁止しています。一方、中国の拘置所は生産地を偽装するなどして、輸出をずっと続けています。

強制労働によって作られた製品は、その安い価格でグローバル市場に打撃を与え、人権が保障されている国や企業の競争力を弱めています。そして、富は人権を蹂躙する国や企業へと流れ込んでいます。

 
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