中国当局が最近公開した、「一帯一路」経済圏構想を宣伝するミュージック・ビデオ(MV)は、コカコーラ社のコマーシャルを盗作したものという疑惑が浮上した。
1971年に公開となったコカコーラ社の 「I’d like to Buy the World a Coke(世界中の人にコーラを買ってあげたい)」と題するCMでは、朝陽の光に佇んで歌唱する西洋人女性から映像が広がり、異なる民族の老若男女の人々がいっしょに同じ曲を詠唱していた。
一方、「我想為世界修一條路(和訳: 私は世界のために道を造りたい)」と題する中国の同MVは、映像の構成と音楽はコカコーラ社CMそのまま、西洋人女性ら出演者がアジア系少女らに、英文の歌詞はところどころ「一帯一路」の内容にすり替えられたのみだった。
「一帯一路」は、中国政府が主導する現代版シルクロード構想で同国の国家戦略である。問題のMVは、当局が「2年間かけて制作した」と自慢する作品で、インターネットにも公開されたものの、いまは取り下げられたとみられる。