秋晴れのさわやかな日に散歩をしていると、真っ赤な彼岸花の群生が目に入った。毎年、この花を見ると「あぁ、もうお彼岸か。秋が来たんだな」と思う。
まっすぐ伸びた緑色の茎と強烈な赤色の花は多くの人を惹きつけるのか、童謡・歌謡曲の歌詩や、短歌・俳句の題材にもなっている。
まことお彼岸入の彼岸花 ――種田山頭火 『草木塔』
彼岸花が畦などによく植えられるのは理由がある。根の毒性を利用しモグラなどの害獣から作物を守るためだ。美しい花で秋の風景を彩るだけでなく、実用性も兼ね備えている彼岸花を選んだ先人の知恵に感心する。
