中国の強制労働収容所の実態を描いたドキュメンタリー映画『馬三家(マサンジャ)からの手紙』が9月14日、ロサンゼルスのパサデナで上映されました。馬三家労働教養所での想像を絶する状況に、観客は深く胸を傷めました。
パサデナ市民 ジンジャーさん
「大変ショックを受けた。国際世論が少しも影響を与えられなかったことに、怒りを感じている。解決しがたいこの問題を理解するため、すべての米国人がこの映画を見るべきだ」
映画は、オレゴン州在住のジュリー・キースさんが、2年前に買ってきたハロウィンの飾りに入っていた手紙を見つけたところから始まります。それは中国の強制労働収容所に収容されていた孫毅(スン・イー)さんからの、SOSの手紙でした。
教師 ラムさん
「ハロウィンの飾りという私たちにとってありふれた品物が、刑務所で作られていて、中国当局の利益となっている」
手紙には、中国の強制労働収容所の中で行われている驚くべき事実が記されていました。主人公の孫毅さんは危険を冒して手紙を出しただけでなく、再度拘束される危険にさらされながら、自ら中国での撮影を行いました。
科学者 ジョエル・パスラスキさん
「人々が抑圧され、自由が奪われていることに驚いた。彼らの苦しみが気づかせてくれたが、あらゆることを当たり前のことだと思ってはいけない。ごめんなさい。感情を抑えきれなくて…」
観客の1人、フローラさんはかつて馬三家(マサンジャ)の近くに住んでいました。
観客 フローラさん
「馬三家は私の故郷で、あそこに住んでいた。すぐ近くで、あんなに恐ろしいことが行われていたなんて、全然知らなかったし、ものすごくショック。彼らのことを思うと本当に悲しい」
想像を絶する現実に、観客の多くが涙を流しました。
教師 ラムさん
「一人一人が(為政者に対し)勇気を出して声を挙げなければ!声を挙げる人が多くなれば、早く止めさせることができる」
『馬三家からの手紙』の李雲翔(レオン・リー)監督は、いま中国で起きていることを、もっと多くの人が知り、注目してくれるよう願っていると語っています。
ピーポディ賞受賞監督 李雲翔氏
「この映画では、観客は孫毅さんと一緒に彼の生活の中へと入り、彼のような法輪功学習者が中国でどのような困難に直面したのか理解できると同時に、困難に屈しない彼の精神も知ることができる」
ドキュメンタリー映画『馬三家からの手紙』は日本でも19日、NHK BS1で放送され、大きな反響を呼んでいます。26日午後5時に再放送されるということです。