米中貿易摩擦が長期化するなか、専門家は、貿易戦の影響で中国国内総生産(GDP)成長率が大幅に下落すると推測している。
米CNBC(19日付)によると、米専門家は、17日に公表された第3弾対中関税措置の税率が、来年1月1日以降25%に引き上げられることで、来年中国のGDP成長率が低下すると予測。下げ幅は0.5~0.6%という。
米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミストは、米中両国が互いに関税措置を行なっているが、中国側がより深刻な影響を受けると警告した。中国の対米輸出額が対米輸入額の約4倍であることが主因だと指摘。
中国当局の発表では、2017年国内GDP成長率は6.9%だった。バンク・オブ・アメリカは、「中国当局が景気刺激策を実施したにもかかわらず、来年中国GDP成長率が6.1%まで下落する」見通しを示した。JPモルガンは、中国輸出入の鈍化で、GDP成長率が現水準から0.6%下がると予測。
いっぽう、香港市場調査会社・北威国際集団(Bellwether)が19日、台湾台北市で開催した経済フォーラムにおいて、台湾金融持ち株会社「国票金融控股」の丁予嘉・社長は、米中貿易戦で、今年の中国GDP成長率が6.5%にとどまり、来年以降「伸び率が大幅に落ち込む」と推測した。
丁社長によると、米国務省とシンクタンクのランド研究所がすでに、2001年に行った調査報告で中国による貿易不均衡問題を指摘し、不均衡の是正計画を策定した。同氏は、中国側がこれまでの貿易慣行を改めるまで、トランプ政権が対中制裁を継続していくと指摘した。
貿易収支やサービス収支などの4項目で構成される経常収支が「縮小する」うえ、中国国内設備投資や内需も落ち込んでいる。さらに、地方政府や国営企業の債務問題に加え、中国は長期にわたり景気低迷が続く可能性が高いという。
丁予嘉氏は、米政府をはじめとする西側諸国が貿易戦を通じて、「全体主義と資本主義を混ぜ合わせた中国当局の統治体制」にメスを入れようとしているとの見方を示した。「中国経済を安定化させるには、当局が抜本的な改革を行い、完全な市場経済に移行するしかない」
(翻訳編集・張哲)
大紀元時報 エポックタイムズ より転載
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