[チューリヒ 27日 ロイター] – 世界の住宅価格は香港が最も割高だが、シカゴでは割安物件が見つかる──。スイスの銀行大手UBS<UBSG.S>が行った調査「UBSグローバル・リアル・エステート・バブル・インデックス2018」のリポートで明らかになった。
調査では世界の20都市の住宅用不動産の価格を分析。ミュンヘン、トロント、バンクーバー、アムステルダム、ロンドンは住宅バブルのリスクに直面しているが、ストックホルムとシドニーは今年バブル水準を脱し、ジュネーブは適正価格に近づいた。シカゴは今回も唯一、過少評価されている都市だった。
ロサンゼルス、チューリヒ、東京、ジュネーブとニューヨークの住宅価格も割高だが、ボストン、シンガポールとミラノは適正と分析された。
UBSによると、2000年代半ばの不動産ブームの時のように、貸し出しと建設が同時に過剰になる状態は世界的に見られなかった。住宅ローンの貸付残高の伸びは金融危機前の半分のペースで推移している。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのマーク・エーフル最高投資責任者(CVO)は「多数の金融センターがなお住宅バブルのリスクにさらされているが、今日の状況を金融危機前の状況と比較すべきではない。それでも香港、トロント、ロンドンなどバブルのリスクを抱える地域の住宅市場については引き続き選択に注意すべきだ」と指摘した。
リポートによると、過去4四半期の住宅価格上昇率はインフレ調整後で平均3.5%と、過去数年と比べるとかなり低いが、それでもなお10年間の平均を上回っている。