イギリスBBCは8日、『誰を信じるべきか?中国の臓器移植』(Who to Believe? China’s Organ Transplants)と題する番組を放送しました。中国で死刑囚の臓器摘出に関与した元医師もスタジオ出演し、番組の中で証言を行いました。BBC記者はまた、中国衛生部の黄潔夫元副部長に、臓器移植の実態について質問しました。
中国・天津で臓器移植を受けた韓国人患者家族
「2時間待っただけで 、臓器が届けられた」
BBCは、韓国のテレビ局が制作したドキュメンタリーを引用し、おとり調査の結果、中国・天津(てんしん)の病院では短期間で臓器が入手できることを裏付けました。
BBCは今年7月、スペインのマドリードで開かれた年次国際臓器移植会議(TTS)の期間中、臓器収奪疑惑の主要責任者とされる中国衛生部の黄潔夫(こう・けつふ)元副部長を取材しました。
BBC記者
「毎年の移植手術件数は10万件とも言われるが…」
中国前衛生部元副部長 黄潔夫氏
「その質問はナンセンスだ。答えたくない」
BBC記者
「私が中国の病院に電話したところ 、すぐに肝臓のオファーができた 。どうしてこれが可能なのか」
中国前衛生部長官 黄潔夫氏
「聞きたくない。 その質問には答えたくない 。政治的意図を持っている人がいる」
BBC記者が中国の病院に電話で尋ねたところ、すぐに肝臓移植の手配ができたが、これはどうして可能なのかと質問しました。すると、黄(こう)元副部長は慌てた様子で「質問に答えない」と拒否し、政治的意図を持つ人がいると、決まり文句を言い放ちました。
ウイグル族元医師 エンバー・トフティ氏
「銃声が聞こえた後に入ると、胸を撃ち抜かれた男性が横たわっていた」
BBC司会
「男性は右胸部を撃たれ、臓器の摘出を待っていた。でも臓器を摘出するとき、まだ生きていたのか」
ウイグル族元医師 エンバー・トフティ氏
「ええ」
ウイグル人で元医師のエンバー・トフティさんはスタジオに招かれ、1995年に銃殺刑を執行された死刑囚から臓器を摘出した体験を語りました。BBCはまた、中国で迫害を受けた法輪功(ファールンゴン)学習者も取材しました。証言によると、多くの人が刑務所でひどい拷問を受けながら、定期的に身体検査と血液検査を受けさせられていたそうです。
中国からの法輪功学習者
「定期的に身体検査された。胸部のX線検査や肝臓、血液検査など 3カ月毎に受けた」
「彼らは我々に修煉をやめるよう強要した。従わないと殴られるが、臓器の部位は避けて、腕や足、 臀部ばかり殴打する」
新疆の元医者 エンバー・トフティ氏
「中国(病院)の臓器広告は 、例えば4時間以内に臓器を手配できるとアピールしている。大量の臓器が待機しているとしか解釈できない。中国政府は然るべき説明を行なっていない。得られた結論は、臓器のオンラインデータバンクが存在するということだ」
欧州議会、アメリカ議会はこれまでに中国の強制臓器摘出を非難する決議案を可決しました。アメリカ議会は10日に発表した中国人権状況に関する年次報告書の中で、法輪功学習者や他の受刑者に対する臓器狩りの告発に言及し、懸念を示しました。