[ワシントン/ジュネーブ 17日 ロイター] – 世界経済フォーラム(WEF)が17日発表した2018年版「世界競争力報告」によると、米国が10年ぶりに1位に返り咲いた。評価方法の変更が順位を押し上げたとみられる。
競争力を示すゼロから100までのスコアで米国は85.6となり、「競争力の最先端」に最も近い国と評価された。日本は5位だった。米国の「活気ある」起業文化や「力強い」労働市場と金融システムが高い評価を受けた。
WEFは世界各国の政治家や経営者が集まる年次総会「ダボス会議」を主催する団体。各国の機関や政策など、生産性を高める要因を分析し、140カ国を対象に競争力の順位を発表している。
今回から評価方法を変更し、将来の競争力の引き上げにつながるアイデアの創造や起業文化などを考慮した。
9年連続で1位だったスイスは4位に転落した。ただ、WEFのマネージング・ディレクター、Saadia Zahidi氏は「従来の指数と新たな指数はりんごとオレンジのようなものだ」とコメントし、単純には比較できないとの見方を示した。
同氏は、経済成長や所得の伸びを長期的にけん引する要因が多く分かったことから、新たな指数を導入したと説明。スコアの算出で基準となる98項目は、国際機関や企業幹部の調査を踏まえて決定したとし、デジタル技術への投資など長期的な政策が反映されるようにしたと述べた。
スイスに関しては、イノベーションの中心的な存在だが、起業家的な考え方という点で改善が必要だと指摘した。
一方、米国については、トランプ大統領の保護主義的な通商政策がどのように評価に影響するかを見極めるのは時期尚早だとした上で、中国や他国との貿易摩擦が続けば、将来的には米国の競争力に影響を及ぼすと指摘。「開かれた経済のほうが競争力は高い」とコメントした。
以下、競争力の順位
1 United States
2 Singapore
3 Germany
4 Switzerland
5 Japan
6 Netherlands
7 Hong Kong
8 United Kingdom
9 Sweden
10 Denmark
11 Finland
12 Canada
13 Taiwan
14 Australia
15 South Korea
16 Norway
17 France
18 New Zealand
19 Luxembourg
20 Israel
21 Belgium
22 Austria
23 Ireland
24 Iceland
25 Malaysia
26 Spain
27 United Arab Emirates
28 China
29 Czech Republic
30 Qatar