フェイスブック株主の4公的ファンド、ザッカーバーグ氏会長交代案支持

[17日 ロイター] – 米フェイスブック<FB.O>株式を保有する米国内の4つの有力公的ファンドが17日、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)を会長職から解任する提案に支持を表明した。複数の不祥事への対処で問題があったことを理由に挙げている。

会長交代案はヘッジファンドのトリリアム・アセット・マネジメントが6月に提示。今回、年金基金などを監督するイリノイ、ロードアイランド、ペンシルバニア各州の財務官とニューヨーク市の会計監査官スコット・ストリンガー氏が提案に賛同した。

2019年5月に予定される年次株主総会の議案になるとみられる同提案は、社内の監視強化に向けて社外取締役を会長に据えることを求めている。同社の信用低下につながった利用者情報の不正流用や偽ニュースの拡散、外国政府による米選挙への介入といった問題を提案の根拠として挙げている。

2017年の株主総会でも社外取締役の会長任命案が投票にかけられたが、否決されている。

ロードアイランド州のセス・マガジナー財務官は取材に対し、今回の会長交代案はフェイスブックが抱える諸問題やその解決策に関心を引くためにも提出する価値があると説明。

フェイスブックの広報担当はコメントを差し控えた。今回、会長交代に支持を表明した4公的ファンドのうち少なくとも3つは17年の提案にも賛成している。

イリノイ州のマイケル・フレリックス財務官は社外取締役が会長に就いていたとしても一連の問題を全て阻止できなかったかもしれないが「今よりも問題が少なく、株価もさほど下落しなかったかもしれない」と述べた。

株価は17日の取引を159.42ドルで終了。年初からは10%下落しており、7月25日に付けた引け値ベースの高値である217.50ドルを大きく下回っている。

マガジナー、フレリックス両氏は、会長交代案への支持を取り付けるために、今後数カ月かけて主要株主の機関投資家と協議する意向を示した。

当局への届け出によると、大口株主のファンドに名を連ねるバンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド<VSMPX.O>とフィデリティ・コントラファンド<FCNTX.O>は17年の会長交代案に反対しているが、アメリカン・ファンズのグロース・ファンド・オブ・アメリカ<AGTHX.O>は賛成票を投じている。

フェイスブックは17年の案に反対した際の理由として、社外取締役が会長に就けば「取締役会や管理機能、対外関係に不確実性、混乱、非効率を生じさせる」可能性があると主張していた。

4月時点の当局への届け出によると、ザッカーバーグ氏は議決権の約60%を握っている。

 
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