ラトビア出身のオリンピックメダリストである元リュージュ選手、マルティンス・ルベニスさんが、ある出会いによって自分の中に起きた変化について語ってくれました。
1978年生まれ、9歳の時リュージュを始めたそうです。1990年代前半には数々の世界大会に出場するようになり、1998年世界ジュニア選手権で金メダル、2003年と04年世界選手権でそれぞれ銀メダル、銅メダルを獲得しました。
冬季オリンピックにも5回出場、2006年トリノでシングル銅メダルを獲得、ラトビア初の冬季オリンピックメダルを獲得し、同年ラトビアのスポーツ栄誉賞を受賞しました。
2014年ソチではチームリレーで銅メダルを獲得、ルベニス選手とそのチームメートの栄光を称え、記念切手が発行されました。
一方で、アスリートとしてのライフスタイルと猛練習から、20代の頃から腰痛がひどく、体中の筋肉が痛んでいたそうです。痛みのため、以前のように滑ることが難しい時期もありました。
そんな時にある出会いがありました。幼少の頃ブルース・リーの映画で武道というものを知ってから、中国文化に興味があったルベニス氏は中国の健康法を調べているうち、法輪功(Falun Gong、ファルンゴン)に出会ったのです。2005年のことです。その時「人生の目的地を見つけた」と感じたそうです。 それから法輪功の修煉を始め、今に至っています。
「初めて法輪功のエクササイズをした時、痛みのひどかった腰にエネルギーが集中して、腰骨に何かが起こっているように感じました。激しいトレーニングの後のように汗も出て、体の中で何が起こっているかは分かりませんでしたが、心地よかったのです。それから1か月半後、法輪功を勉強し、体、魂、心が繋がっていることを理解し始めた時、腰痛や体中の痛みが消えました。心や魂が変化すれば、それに伴って体も変化するということですね」
以前はプロのアスリートとしてサメのように鋭敏で獰猛でなければならないというコーチの教えを守り、とても利己的だったそうです。例えば、トップをキープするために、特注で作られたソリは仲間内にも見せないようにしていたそうです。
「法輪功の教えで最初に気付いたことは、何かを得るには何かを捨てる、そのためには利己的でなくなる、無欲になるということです。修煉を始めて、人と分かち合うということを学び、自分のソリを隠すのを止めて、そのデザインを仲間と共有するようにしました。すると、知らなかった知識を得たり、新しいアイデアが浮かんだりしたのです。本当ですよ」
法輪功の教えを学ぶうちに、苦境に立った時は自己を見つめることを身に着けたそうです。
「以前、好まないことに直面すると、面倒臭いとか避けたいと思っていました。でも今はそれをチャンスだと捉えるようになりました。
もし間違ったことをしたと感じたらそれを見つめ直したり、あまり好ましくないことが身近で起きても、感謝の気持ちで受け取るようになりました」
2014年のソチオリンピック終了を機に引退を表明、今はラトビアのチームコーチを引き受けると同時に、チームのソリを担当するエンジニアとして従事しています。
選手からコーチへの移行は慣れるまでが大変で、また選手に戻りたくなった時もあったそうです。しかし、法輪功の教えである「真・善・忍」を実践する中で、自分の役割に気付いたそうです。
「コーチになると、自分でなくチームのことを一番に考慮しますし、チームが目指すところを支えるよう努めます。つまり、利己的でなくなるのです。コーチとしての責任は選手の時よりも重いですけどね」
ルベニスさんはまた人権活動家として、1992年から続いている法輪功への弾圧を止めるよう中国当局に呼び掛けています。