豪政府、太平洋地域に最大30億豪ドル投融資 中国けん制との見方

[シドニー 8日 ロイター] – オーストラリアのモリソン首相は8日、太平洋諸国に最大30億豪ドル(21億8000万米ドル)の投融資を提供すると発表した。同地域で影響力を拡大する中国をけん制する狙いがあるとみられる。

中国とオーストラリアは豊富な海洋資源を持つ太平洋島しょ国への影響力を巡って競い合っており、中国は2011年以降、低利融資や援助に13億米ドルを投じた。太平洋地域でオーストラリアに次ぐ資金供与国となり、西側諸国では、一部の国が中国に多額の債務を負う恐れがあるとの懸念が高まっている。

モリソン首相が発表した計画では、通信やエネルギー、運輸、水道事業に投資する20億豪ドルのインフラ基金を創設する。また、通常の貸し手から資金を借り入れることが難しい民間企業向けの低利融資に10億豪ドルを拠出する。

モリソン首相はさらに、パラオやマーシャル諸島などに職員を派遣し、外交面での存在感を強めるほか、合同の演習や訓練を通じて防衛、安全保障でも関係を強化すると表明した。

モリソン首相は中国に言及はしなかったが、豪シンクタンク、ロウイー研究所の太平洋諸島外交政策専門家ジョナサン・プライク氏は「中国の動きを受けた措置だ。オーストラリアは太平洋地域に関与する追加の手段を必要としている」と分析した。

 
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