【動画ニュース】中国がエリート高校生をAI殺人兵器の研究者に育成 各国の専門家が強い危機感

中国当局は、人工知能(AI)搭載の「自律型殺人兵器」の研究開発に力を入れています。報道によると、北京理工大学はAIによる「殺人ロボット」の研究開発を行うために、「最も優秀な」高校生を募集しました。有識者は、これは高校生に害を及ぼすだけでなく、社会を脅かすと警鐘を鳴らしています。

イギリスの新聞、デイリー・メールや香港サウスチャイナ・モーニングポスト(南華早報)など複数のメディアが、北京理工大学がAI兵器の開発のため「最も優秀な」高校生31人を公開募集したと報じました。北京理工大学は、4年間のプロジェクト「インテリジェント兵器システム実験計画」を通じて、彼らを「世界最年少のAI兵器研究者」として育成する予定です。

報道によると、31人の高校生はいずれも18歳未満で、内訳は男子生徒27人、女子生徒4人、5000人余りから選抜されたエリートです。

人口知能(AI)を使った兵器は「殺人ロボット」とも呼ばれ、人間による操作を必要とせず、人を始めとするさまざまなターゲットを自ら選別して攻撃します。

中国の元教師・李言(り げん)さんは、このプロジェクトが大々的に公開されたことについて、中国共産党が、血みどろの殺人鬼という自身の本性を隠さなくなったことの現れであり、そればかりか、中共は殺人を推奨することによって、彼らの正当性と合法性を社会全体に認めさせようとしていると説明しています。

中国の元教師・李言氏

これら高校生らが北京理工大学で研究開発するAI兵器が人を殺すものだった場合、このプロジェクトは高校生に害を与えるだけでなく、社会をも脅かす

高校生らは選考にあたり、成績が優秀なだけでなく、いわゆる「愛国レベル」も調査されます。また、学生らは独創性と闘争心、困難に立ち向かう気概といった特性も備えていることが求められています。

中国の元教師・李言氏

これらの要求が何を意味するのか。つまり、この子たちが殺人のことだけを考えるようにし、殺人を行うという思考が極限に達した時に、絶え間ない創造性が備わって、殺人兵器の研究開発に結び付くということだ

次世代を担う学生にAIの兵器利用を研究させる中国に対し、海外のテクノロジー政策専門家は大きな懸念を抱いています。国連大学政策研究センターのサイバーテクノロジー研究家、エレオノーレ・パウウェルスさんは「蜂群ロボットは食品やバイオ技術サプライチェーンの中に、有毒物質を送り込むことができる」として、大きな不安を抱いていると懸念を隠せません。

カリフォルニア大学バークレー校AI研究所のスチュアート・ラッセル主任は、「非常にめちゃくちゃな考え方だ」として、「殺人を目的とする自律兵器の開発を追求することは、他国、自国、地域、個人の安全に深刻な危害をもたらしうる」と警鐘を鳴らしています。

米国在住時事評論家、鄭浩昌氏

中国当局はいわゆる「愛党愛国」洗脳を行い、多くの若い学生が自身の命を差し出すよう騙している。学生たちは自主的に殺人兵器の開発に関わるだけでなく、(一部は)留学時に当局による海外の反体制派や法輪功学習者の監視、西側諸国の情報の入手に協力しており、 そ れに何の罪悪感も持っていない。非常に悲しむべきことだ

AI兵器の開発が世界に壊滅的な被害をもたらす可能性があるとして、各国の多くの研究者が危機感を抱いています。

しかし中国当局は意に介さず、今年7月にはAI発展計画を発表し、数年以内に中国のAI産業を1500億ドル、日本円で約16兆9230億円規模に成長させると述べました。2030年までに中国は国内に「AIイノベーションセンター」を設立する予定です。

米国在住時事評論家、鄭浩昌氏

共産主義の最終目標は人類の滅亡だ。中国共産党が最新のAI兵器を手に入れると、他の非共産主義国家にとって脅威となる。刃物は日常生活に必要な便利な道具だが、人を殺す武器にもなる。だから防がなければならない

今年7月中旬、世界中の著名なAI専門家2400人が「自律的殺人兵器」へのAI活用を禁じる誓約書(lethal autonomous weapons pledge)に署名しました。

この誓約書では、人類の生死の決定権を、感情を持たないロボットに与えてはならないと述べられています。これは道義的な面を考慮しているだけでなく、AIを使った自律的殺人兵器がいったん攻撃目標を選択する能力を持ったなら、戦闘行為における最大のツールとなり得るためです。

 

 
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