【動画ニュース】 中国の人権派弁護士が当局に89億元の損害賠償請求

今年5月に弁護士資格証明を抹消された広西チワン族自治区の人権派弁護士、覃永沛さんが11月3日、弁護士資格証明の抹消は違法だとして、89億5000万元、日本円でおよそ1448億7700万円の賠償金を求めて広西省司法庁を提訴しました。同時に司法庁のトップ、林金文庁長に対し、出廷して対質尋問に応じるよう求めました。

覃さんは訴状の中で、広西チワン族自治区の司法庁は法律の尊厳をふみにじり、脅迫や威嚇によって同氏が共同経営を行っていた弁護士事務所を解散させ、同氏の弁護士証明を抹消して多大な精神的苦痛と経済的損失を与えた疑いがあるとしています。

人権弁護士 覃永沛氏

「彼らの行為には法的根拠がない。共産党の党員数は約8900万人だ。よって1人につき10元(約162円)の賠償金を求めても問題ないと考えている。彼らの「偽の法治国家」においては10倍返しも大いにあるが、我々の中国には法律がある。私はこの理念に従い、89億5640万元の損害賠償を求める」

覃さんはさらに、訴状の中で同自治区司法庁の林金文(りん きんぶん)庁長に出廷を求め、公権力を握って法律をもてあそぶ林金文氏は、「全ての中国人の敵」になるだろうと警告しました。

一方覃さんは新唐人テレビに対し、裁判所から訴状の受理を拒否されたとも語り、証明を抹消された他の複数の弁護士と共に、最高人民法院長(最高裁判所長官)の周強(しゅう きょう)氏に告訴する計画があると明かしました。

覃永沛氏

「裁判所は受け取りを拒否した。その後、中央政法委員会が我々人権派弁護士を重点的な排除対象に指定していることが分かった。彼らは法律をないがしろにしている。つまり「我々裁判所は受理しないので、告訴したければ勝手にどうぞ」というわけだ。ならば私は最高裁判所のトップである周強氏に訴え出る。上に立つ者が不正を行えば、下の者もそれにならって悪いことをすると私は考えている」

かつて弁護士証明を抹消されたカナダ在住の祝聖武(しゅく せいぶ)さんも、覃さんの方法を評価しています。

「私は今回の彼の行動を心から支持する。昨年から始まった弁護士に対する新たな脅迫活動には、人権派弁護士に対する違法な迫害問題が存在しているからだ。共産党には責任がある。すべての党員幹部には今回国を混乱させたことに対する責任がある。よって私は覃氏の今回の請求を完全に支持する」

祝さんは覃さんが司法庁を告訴したことに敬意を表すると語りました。

「彼は今回訴えを起こした。私たちは彼の不屈の精神、危険を恐れず「法治国家」という偽りの仮面をはがそうとする勇気に感銘を受けている」

広西挙鳴弁護士事務所の主任を務めていた覃さんは、司法部部長の傅政華を実名で告発したことや、北京に陳情に出向く途中で警察に射殺された徐純合氏、人権活動家の秦永敏氏、709弁護士一斉拘束事件で拘束された江天勇氏、多数の法輪功学習者の弁護を引き受けていることでも知られています。現在覃さんは、資格をはく奪された他の複数の弁護士と共に「中国弁護士後クラブ」を設立しましたが、警察が押しかけ、執拗な威嚇を受けています。

 

 
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