[ソウル 29日 ロイター] – 韓国最高裁は29日、第2次世界大戦中に強制労働させられた韓国人の元徴用工10人(訂正)への賠償支払いを三菱重工業<7011.T>に命じた。
最高裁は10月、新日鉄住金<5401.T>にも元徴用工らへの賠償を命じる判決を出している。
最高裁は今回、原告5人(訂正)に1人当たり8000万ウォン(7万1000ドル)の賠償を支払うよう三菱重工に命じた2013年の高裁判決を支持した。また、これとは別に5人の原告や遺族にそれぞれ最大1億5000万ウォンの支払いを命じた。
河野太郎外相は判決について、極めて遺憾で断じて受け入れることはできないとする声明を発表。日韓の友好協力関係の法的基盤を根本的に覆すものだと指摘した。また、日本企業にとって公平な経済活動を確保する措置を講じるよう韓国政府に促し、韓国側が対応をとらなければ日本政府として国際裁判を含め選択肢を検討する考えを示した。
韓国外務省の高官は、政府として最高裁の判決を尊重するとした上で、被害者の傷を癒すと同時に日本との将来の関係を醸成する対応をとると表明した。
5人の元徴用工は過去に日本で訴訟を起こしたが、1965年の日韓請求権協定で請求権がなくなったとして退けられた。
韓国最高裁は今回、「日本の不法な植民地支配や朝鮮半島に対する攻撃に直接関連して日本企業が犯した人道犯罪への賠償を求める強制動員被害者の請求権は日韓請求権協定の適用対象外」と判断した。