[ワシントン 29日 ロイター] – 複数の米高官や議会関係者がロイターに明らかにしたところによると、トランプ米政権は、中国人学生による諜報活動などを警戒しており、米国留学時の審査を厳格化することを検討している。
国務省は今年6月、航空学やロボット工学、先端的な製造業分野を専攻する中国人大学院生の査証(ビザ)の有効期限を5年から1年に短縮した。米政府は、国家安全保障に関わる分野におけるスパイ行為のリスクを抑え、知的財産権の侵害を防ぐことが目的だと説明している。
トランプ政権は現在、中国人留学生の入学前の審査を厳格化すべきかどうか検討している。米高官と3人の議会および大学関係者がロイターに明らかにしたところによると、学生の米国における目的で懸案となるようなことがないか、電話の通話記録をチェックしたり中国と米国のソーシャルメディアのアカウントを調査することが検討されているという。
ある米高官によると、スパイ行為などを見つけるために政府職員を対象に行うトレーニングを大学の職員に対しても実施することが計画されている。
ホワイトハウスはコメントを拒否している。国務省高官は、審査厳格化についてどのようなことが検討されているかとの質問に対して、米国のビザが発給される人が適格者であり、国家の安全保障へのリスクにならないことを確実にするよう、国務省は支援すると説明した。