【動画ニュース】暴徒化した「黄色のベスト運動」パリ・凱旋門も被害に

11月17日に始まったフランスの燃料税引き上げに抗議するデモは「黄色のベスト運動」と呼ばれ、今もなお続いています。1日、パリでは破壊行為や放火、略奪などが相次ぐ非常事態となりました。マクロン大統領は2日、凱旋門とその周辺の被害状況を視察。その後、治安対策を話し合う緊急協議を開きました。

12月1日、パリの中心部ではマスクをした全身黒づくめの集団が、自動車数十台に火を放ち、周辺の建物を破壊。さらには店舗やレストランのガラスを割り、略奪などを行いました。警察とも衝突し、マクロン大統領の退陣を求めました。

パリの象徴的な建造物の一つで、シャンゼリゼ通りの西端に聳(そび)える凱旋門も被害に遭い、中に設置されたフランス共和国を象徴するマリアンヌ像の一部が破壊されました。

外壁にはスプレーで「マクロンは退陣しろ」「黄色いベストは勝利する」「革命の火が燃えている」などと、スローガンが落書きされています。抗議活動は深夜まで続き、400人以上が拘束され、けが人も200人以上出ています。

今回の抗議活動は1968年5月の学生暴動以来の異常事態となり、就任から1年半を迎えるマクロン大統領は、最大の政治危機を迎えています。

翌日の2日、アルゼンチンから帰国したマクロン大統領は、凱旋門やその周辺の被害状況を視察。その後、閣僚らと治安対策を話し合う緊急協議を開きました。

「黄色のベスト」抗議活動は11月17日に始まり、SNSを通じて、フランス全土に広がりました。抗議者らは各地で道路を塞ぎ、来年1月からの燃料税値上げに抗議しました。マクロン大統領は今年、パリ協定の履行のため、ディーゼル燃料の税金をすでに6.2%引き上げています。抗議者らは、大統領は環境対策の名の下で、庶民の生活状況を無視していると憤(いきどお)っています。

国民の不満は相当募っていますが、マクロン大統領はまだ強気で、譲る姿勢を見せていません。当局は暴徒化した抗議活動は、極左と極右の過激派によるものだとしています。内政部は2日、当時現場には3000人の暴徒がいたが、彼らは「黄色いベスト運動」の抗議者ではないとし、政策は変えないと発表しました。

一方、「黄色いベスト運動」はフランスから隣国にも燃え移り、1日、ベルギーでもデモが行われ、ブリュッセルでは60人が逮捕されました。

 

 

 
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