10月全世帯の実質消費支出は前年比-0.3%、2カ月連続で減少

[東京 7日 ロイター] – 総務省が7日に発表した10月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出は29万0396円となり、前年同月に比べて実質で0.3%減少(変動調整値)した。減少は2カ月連続。台風や地震といった自然災害で落ち込んだ9月からマイナス幅は縮小したが、気温が平年よりも高めに推移したことや、休日が前年よりも1日少なかったことなどが押し下げ要因になった。

季節調整済み前月比は1.8%増で、2カ月ぶりに増加した。

ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査では前年比1.4%増が予想されていたが、結果はこれを下回った。

消費の減少に最も大きく影響したのは「その他の消費支出」で、9月に値上げ前の駆け込み需要が見られたたばこや、前年よりも日曜日が1日少なかったことで婚礼関係費などが減少したという。また、平年よりも気温が高めに推移したことで、コートやセーター、手袋などの冬物衣料が振るわなかった。生鮮野菜の価格高騰もあり、野菜などの「食料」も減少した。

もっとも、物価変動の影響を除いた名目値の消費支出は同1.4%増と2カ月ぶりに増加。総務省では、9月に実質で同1.6%減と大きく落ち込んだのは「自然災害による一時的なもの」とみている。基調判断は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に据え置いた。

今年から参考指標として公表を開始した単身世帯を含む「消費動向指数(CTI)」は、回復がより鮮明だ。世帯当たりの平均となる世帯消費動向指数(総世帯)は実質で前年比2.7%上昇、季節調整済み前月比は3.2%上昇となった。

世帯全体の消費支出総額の推移となる総消費動向指数は実質で前年比1.3%上昇、前月比0.5%上昇だった。

 
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