【動画ニュース】中国当局の圧力を受けたタイ警察がチェンマイで台湾人を拘束

台湾人ビジネスマンの蒋永新さんはタイのチェンマイで、「希望の声ラジオ放送」中国向け放送局用にオフィスを借りていたところ、タイの警察に逮捕されました。希望の声の総責任者、曽勇氏は、「中国共産党は希望の声ラジオ放送を非常に恐れているため、周辺国に絶えず圧力をかけ妨害工作を行っている」と語っています。

11月22日、タイのバンコクで工場を経営する台湾人の蒋永新さんがタイ警察に逮捕されました。ラジオ・フリー・アジアが報じたところによると、タイ警察は蒋さんを逮捕した際、「中国からの 圧力を受けた」と何度も繰り返していたそうです。

蒋さんはもともと、友人の代わりにチェンマイにオフィスを借りただけでしたが、このオフィスはその後、中国大陸に向けて真実の情報を放送する「希望の声ラジオ放送」短波放送局として使用されるようになりました。

台湾人企業家で社会運動家の高為邦氏
私はタイの法律に詳しくはないが、(逮捕の)主な理由はタイと中国が密接な関係にあるからだと考えている。だから今回の逮捕の件だけでなく、以前にも中国の公安がタイまで来て人を逮捕したこともある

台湾人企業家で社会運動家の高為邦(こう いほう)さんは、希望の声などのメディアに対する中国当局の抑圧行為は全く筋が通らないとし、そのやり方も全く理解できないと語っています。

台湾人企業家で社会運動家の高為邦氏

中国当局はすでに国際的にも憎まれる存在になっているのに、こうした反人道主義的なやりかたをまだ続けようとしている。賢明なやり方とはとても思えない

米国サンフランシスコに本部を置く非政府系独立放送局「希望の声」は2003年に設立されました。設立以来、希望の声は真実の情報を客観的に伝えることに全力を注ぎながら、中国大陸で起きている人権問題などを積極的に取り上げていますが、そのために中国当局から大きな圧力と妨害を受け続けています。

「希望の声」総責任者、曽勇氏
中国当局は我々の放送を非常に恐れている。だから周辺国に圧力をかけ続け、こうした放送局を妨害している

「希望の声」総責任者、曽さんは「希望の声がタイで中国向け短波放送を開始してからすでに1~2年が経ったが、今年8月から中国当局の圧力により、タイ警察が放送局を強制的に閉鎖し、関連設備も押収してしまった」と説明しました。

曽さんはまた「チェンマイの放送局は完全に中国大陸を対象としたもので、いかなるタイ人もタイの地域もその対象ではない。タイの法律にも触れておらず、それどころか国際人権規約により保護されている。中国当局からの妨害と抑圧は、国際人権規約で保障されている報道と言論の自由を踏みにじるだけでなく、これらの国の主権をも蹂躙している」と憤りを隠せません。

「希望の声」総責任者、曽勇氏

我々はタイでいかなる人も傷つけておらず、誰の利益も損なっていない。民主的で自由な国として、タイ政府は中国当局の横暴なふるまいに屈服し、自国の主権を放棄し、独裁政権を手助けするようなことをしないでほしい」

蒋さんは3日間拘束された後、保釈金を払って釈放されました。しかしパスポートを没収されたため、現在はタイから出国できず、行動も制限されています。

「希望の声」総責任者、曽勇氏

我々は蒋氏の置かれた状況を非常に案じている。彼には何の落ち度もないと思っている。タイ政府は彼を勾留すべきでなく、自由を与えるべきだ

蒋さんの状況が明らかにされると、国際社会からの関心と支持が集まりました。ニューヨークの人権派弁護士、葉寧(よう ねい)さんは「大紀元」に対し、希望の声ラジオ局は国連世界人権宣言第19条に合致する、情報を自由に報道するために設立された放送局だと述べ、チェンマイに送信局を設置しただけなら完全に合法だと説明しました。また、蒋さん本人も人に頼まれて部屋を借りただけで、どこからどう考えても潔白だとも語っています。

米国在住で著名な中国人反体制派の魏京生(ぎ きょうせい)さんも、希望の声は中国共産党の情報統制の突破に大きく貢献している、タイ警察は中国政府の行う情報統制に手を貸してはならないと警告しています。

曽勇さんはまた「中国当局から圧力を受けても、アジアにはボランティアが大勢いる。中国人に真実の情報を知ってもらうため、希望の声中国向け放送局の建設を積極的に手伝ってくれている。また、希望の声は高度な放送ハイテク技術を使っている為ため、中国当局が希望の声の中国向け放送を遮ることなどできない。中国大陸のほとんどの地域がカバーされている」とも語っています。

 

 
関連記事