中国メディアの報道によると、「南水北調東線江蘇水源有限責任公司」の会長兼共産党委員会書記の鄒徐文(すう・じょぶん)氏が、「規律違反」の疑いで現在調査を受けています。
今年55歳の鄒徐文氏は山東省の出身で、2001年から江蘇省の各地で幹部の座に就いていました。徐州市雲龍区共産党委員会副書記、区長、沛県共産党委員会副書記、書記、県長、徐州市共産党委員会常務委員、宣伝部長、常務副市長などを歴任しています。
2015年からは、「南水北調東線江蘇水源有限会社」の会長兼共産党委員会書記を務めています。2005年に設立されたこの会社は、中国の国務院と江蘇省政府管轄下の国有企業です。
南水北調は、北方地域の慢性的な水不足を解消するために、南方地域の水を北へ送るプロジェクトです。東線は2002年12月に着工し、2013年12月に通水が行われました。
一方、ドイツ在住の水利専門家・王維洛(おう・いらく)さんは、南水北調プロジェクトによる環境破壊は三峡ダムよりも深刻だと繰り返し指摘。アメリカ科学アカデミーの会員で、ピューリッツァー賞受賞者のジャレド・ダイアモンド教授も著書の中で、南水北調プロジェクトは汚水をさらに拡散させ、水資源の不均衡をもたらし、生態環境に致命的な災難をもたらすと警告しました。
また明慧(ミンフイ)ネットによると、鄒氏は徐州市で副市長を務めていた期間中、地元の法輪功学習者に対する迫害にも積極的に加担していたとのことです。