中国の著名な経済学者、茅于軾(ぼう・うしょく)さんが先日、共産主義の思潮はすでに過ぎ去ったと述べ、さらに、中国の多くの知識人は中国共産党内にとどまりたくないと思っているとも述べました。
今年89歳の茅さんは、中国民間の独立シンクタンク「天則経済研究所」の創設者の一人です。先日、アメリカ政府系放送、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材を受けた際、中国の市場化を阻む最大の要因は権力の介入であると話し、これらの問題を解決するには政治の透明性、言論の自由、国民による監督および独立した司法が不可欠であるとも述べました。
中国問題研究家 凌曉輝氏
「一般的な学者にとって、これらの観点は理解できる。正しいと言える。しかしもう一つ、最も重要な点がある。つまり、中国共産党には政治の透明性はありえない。政治の透明性を求めることは、共産主義理念の放棄を意味する。つまり、マルクス主義の悪魔式の政治原理を放棄しなければならない」
茅さんはまた、共産主義思潮はすでに過去のものになっており、現在内外の情勢は民主、法治、憲政、人権の方向に向かって変化していると指摘し、「認めたくなくても、これは客観的な事実である」と述べました。また、共産党の高官や中産階級が次々と子女をアメリカへ送り出しているが、これらも世界情勢の潮流によるものだとも述べました。
中国問題専門家の凌暁輝(りょう・ぎょうき)さんは、共産主義思潮は人類社会に存在してはならないものであると指摘します。なぜなら、共産主義の目的は人類を滅亡させることであり、共産主義は人類の滅亡を加速化させる邪悪な理論であるからだと述べます。
中国問題研究家 凌曉輝氏
「現代社会において、特に共産主義のイデオロギーは、人類の各民族と種族の宗教や信仰を否定し、信じないように仕向ける。これが一種の思潮になり、人類が衰退に向かっている最も主要な原因であると考えている」
中国では現在、共産主義思想を掲げた中国共産党が、依然として民衆を抑圧し、民主や法治、憲政とは程遠い、人道に反する道を突き進んでいます。凌さんは、共産主義政権は独裁主義に依存するしかなく、民意を尊重することは決してしないと指摘します。
中国問題研究家 凌曉輝氏
「中国共産党が政権を取って数十年になるが、この数十年の間、彼らのやった全てのことがこの点を証明している。つまり、中共は民意を尊重し、守ることは絶対しない。民意を操り、彼らの目的である人類の道徳を破壊することしかしない」
インタビューの中で茅さんは、「もう共産党にとどまりたくない。知識人の多くが同じ考えを持っている」「共産党の規約には脱退は自由にできると書いてあるが、実際は許されていない。だから多くの人は、党費の不払いを続けることで、党からの除籍を望んでいる」と述べ、共産党脱退を表明しました。
在米時事評論家 鄭浩昌氏
中国共産党に対してはっきりした認識を持っている割合は、知識人の方が、労働者や農民よりはるかに高い。中国共産党にとっては大きな脅威であるため、彼らに対する警戒を緩めない。危機を感じた中共は、政治的高圧をエスカレートし続けている。改善の願望を持っているこれらの知識人も最終的には絶望し、中国共産党を見捨てるだろう」
事実上2005年には、中国で共産党脱退運動が始まっています。「大紀元脱党サイト」の統計によると、2018年12月現在、3億2220万人が中国共産党の邪悪な本質を見抜き、少年先鋒隊、青年団、党員などの共産党組織からの脱退声明を発表しています。