【動画ニュース】中国のアフリカ豚コレラは制御不能な状況に 街中に豚の死骸放置

中国ではアフリカ豚コレラが猛威を振るっています。発生が確認されてから5ヶ月になりますが、現在23の省と直轄市に蔓延しています。最近、福建省三明市尤渓県で撮影された映像がネットに投稿され、さらに不安が広がっています。

中国農業農村部は12月20日、福建省三明市尤渓県の養豚場でアフリカ豚コレラが発生し、飼育されている豚12000頭のうち、27頭が感染したが全部死亡したと発表しました。11月8日には同省莆田(ほでん)市で初めて感染が確認されましたが、今回は同省で2回目の感染情報です。ネット上には、大量の豚の死骸が道端に放置されている動画が投稿され、死骸の処分すら間に合っていないのかと、不安が広がっています。

地元村民によると、アフリカ豚コレラは莆田市からすでに周辺地域へ広がり、24日には同省泉州市惠安県でも感染が確認されたそうです。

福建三明市尤溪県村民 陳さん

「感染は莆田市から広がってきたようだ。あちこちに豚を運んでいる。防ぐことはできない。今月10日にすでに感染が確認され、埋められた。こちらでは厳戒態勢が敷かれている。すでに制御できなくなっている。今日は泉州市惠安県黃塘鎮でも確認された」

豚の主な飼育地として知られる四川省、河南省、湖南省、湖北省、廣東省などでも、アフリカ豚コレラの感染が確認されています。山東省のみが、当局による感染情報が出されていませんが、地元住民は当局が感染情報を隠蔽していると漏らしました。

山東省動物用医薬品業者 王さん

「アフリカ豚コレラは今中国で猛威をふるっている。発病すると治せないし、ワクチンもない。山東省でも感染している。路地に入るとあちこちに豚が放置されている。100キロ以上ある豚が道端に横たわっている。今はよく見る光景だ。1箇所を封鎖することで根絶できるものではない」

今年8月、東北部の瀋陽市で中国初のアフリカ豚コレラの感染例が報告されました。5ヶ月後の現在、感染は23の省と直轄市にまで広がっています。

台湾大学獣医学院の賴秀穗(らい・しゅうすい)名誉教授はメディアの取材を受けた際、中国のアフリカ豚コレラはすでに制御ができなくなっていると述べ、中国で飼育されている豚4億3千頭のうち、1億頭以上が感染している可能性があり、今後中国では豚の飼育が困難になる可能性があるとの見方を示しました。

 
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