先日、ポーランドの情報当局はスパイ活動をしたとしてファーウェイ現地支社の幹部とポーランド人1人を逮捕しました。報道によると、このポーランド人は国家安全保障局の元幹部で、勤務期間中、中国共産党の為にスパイ活動を行ったそうです。ファーウェイの幹部と同時に逮捕されたことで、ファーウェイの役割が再び注目されています。
1月8日、ポーランドの国家安全保障局は、ポーランド人の元幹部、Piotr Drbajlo 氏とファーウェイ現地支社の販売担当幹部、王偉晶(わん・うぇいじん)を逮捕しました。
ウォール・ストリート・ジャーナルは15日、事情に詳しい当局者の話しとして、逮捕されたポーランド人元幹部は政府機関に勤務していた期間中、職務の権限を利用して、中国共産党の為にスパイ活動を行っていたと伝えました。
この元幹部はポーランド国家安全保障局および電子情報通信部門に勤務していました。2000年から2017年にかけて、高レベルの機密情報取り扱い資格を要する役職に歴任。同盟国のアメリカや北大西洋条約機構(NATO)と共有された情報を含め、機密の通信情報やデータベースにアクセスする権限を持っていたとのことです。判決で有罪が確定すれば、ポーランドとNATOの情報セキュリティは大きなダメージを受けることになります。
同時に逮捕された王偉晶容疑者は、2006年から2011年まで、中国駐ポーランド総領事館に勤務していました。2011年からファーウェイのポーランド支社に入り、広報責任者を5年間務めたあと、政府系組織への販売業務を担当していました。
時事評論家 橫河氏
「中国共産党は数年前に「外交人員法」を制定した、規定によると外交人員には2つの道しかない。一つは派遣、もう一つは中国に帰ること。辞職もできなければ、現地の領事館に勤務中も解雇できない。非常に厳しい規定で、自分で転職することは許されない。今の所、この王氏はファーウェイの要請で入れたのか、それとも国家安全部門や外交部門の命令なのかどうかまだ不明である。誰が主導しているのかはまだ不明だが、少なくとも、ファーウェイは世界各地の支社に当局がスパイを送り込むこをを拒否できない」
ヨーロッパはファーウェイにとって、もっとも大きい海外市場です。ポーランド政府は12日、EUとNATO加盟国に対し、ファーウェイ対策で共同歩調を取るべきだと呼びかけています。