米国メディアの報道によると、アップルの中国人エンジニアが自動運転技術窃盗の疑いで、FBIによって逮捕されました。昨年7月にも、自動運転技術の機密情報窃取で、別の中国人が逮捕・起訴されていました。
FBIの資料によると、逮捕されたのは中国人エンジニアのジゾン・チェン(Jizhong Chen)。社内の機密スペースで写真を撮っているところを別の社員が発見し、通報しました。チェンのパソコンを調べた結果、自動運転技術に関するマニュアルや回路図など、アップルの知的財産権を含む何千ものファイルが発見されました。
さらに、チェン被告はすでに中国広東省広州市に本部を置く電気自動車のメーカー、XMotors(エックス・モーターズ 小鹏汽車)への転職を計画していました。XMotorsが昨年発売したモデルXpengG3は、その低価格から電気自動車業界の「xiaomi」(シャオミ)と呼ばれています。
チェン被告は昨年の夏からアップルの自動運転車開発プロジェクトである「Project Titan(プロジェクト・タイタン)」に参加し、ハードウェアの研究開発エンジニアとして、プロジェクトの核心メンバー1200人の一員となりました。
チェン被告は中国に逃亡しようとしたところを、空港でFBIによって逮捕されました。
アップルの自動運転技術が盗まれるのは今回で二回目です。昨年7月にも、企業秘密を盗んだとして、自動運転車チームの中国人メンバー、シャオリャン・チャン(Xiaolang Zhang)が逮捕・起訴されました。裁判所の資料によると、チャン被告は、離職する前に25ページに及ぶ自動運転車の回路基板を含む大量のファイルをダウンロードしていました。当時チャン被告はすでに中国企業「XMotors」に転職し、シリコンバレーのマウンテンビューの同社事務所に勤めていました。
有罪が確定すれば、チャン被告とチェン被告はいずれも、最高で懲役10年と罰金25万ドルを科されることになります。