1月25日、中国の著名人権派弁護士、王全璋(おう・ぜんしょう)さんの裁判が行われましたが、「国家政権転覆罪」で懲役4年6カ月が言い渡されました。アムネスティ・インターナショナルはこの判決を「完全に不当」と断じました。
1月25日、天津市第二中級裁判所で、人権派弁護士の王全璋さんに4年6カ月の実刑判決が下されました。
王さんの妻、李文足(り・ぶんそく)さんはこれに対し、「王全璋は無罪で、有罪にすべきは公安局、検察局、裁判所だ」と声明を発表しました。
さらに「夫が選択する全てを私は尊重し支持する。これからも夫の権利の保障を訴え続け、子供とともに夫の帰りを待ち続ける」とも述べています。
王全璋弁護士の妻 李文足さん
「むりやり4年6カ月の実刑判決を下した。この結果を私は絶対に認めない。受け入れない」
李さんは、王弁護士は不当に収監されたこの3年余りの間に、拷問を受けた可能性が非常に高いとして、中国当局の行為こそが違法だと主張しています。
李文足さん
「(709弁護士一斉拘束事件で)かつて拘束された人たちから、彼らは拘束中に凄惨な拷問を受けたと聞いた。夫もきっとそうだろう。夫は(釈放まで)さらに1年もかかる。夫が健康で無事に帰って来られるのかと、案じずにはいられない」
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのリュー研究員は、王弁護士に対して行われた違法な裁判について「きわめて不当」と断じました。
アムネスティ・インターナショナル ドリアン・リュー研究員
「王全璋氏は平和的な手段で人権を擁護し、弁護士としての自身の職務を果たしだけで処罰された。王氏は中国当局から3年半もの間「強制的に失踪」させられ、恐らくひどい拷問を受けている」
王弁護士は、法輪功学習者の弁護を引き受けたことで2015年8月、中国当局によるいわゆる「709弁護士一斉拘束事件」のさなかに行方が分からなくなり、それから秘密裏に3年間収監されていました。
その後2018年12月26日に天津市第二中級裁判所で、王弁護士に対する審理が非公開で開廷し、その後が注視されていました。