【動画ニュース】世界中で進行中のスマートシティ構築 個人情報漏洩の危険性は?

世界では今、スマートシティやビッグデータなどによる都市管理の取り組みが進められています。都市や交通の最適化が実現され便利になるいっぽうで、個人情報の漏えいが懸念されています。

スマートゴミ箱は、ゴミ箱がいっぱいになると自動的に業者に知らせる便利な機能を持っています。ヨーロッパのある都市に設置されたスマートゴミ箱は、ゴミの情報だけでなく、市民の個人情報も集めていました。ゴミ箱の前を通る市民から、わずか1か月の間、100万件以上の携帯電話の情報を収集し、持ち主まで特定できました。このゴミ箱は「スパイゴミ箱」と呼ばれ、市民の怒りを招き、最終的に撤去することになりました。

スマートシティを構築するには、街中にセンサーや監視カメラを大量に設置し、データを収集し、分析します。もちろんデータは大量かつ細かいほど良いとされます。

カナダでは政府が巨額の資金を投資し、トロントでは大規模なスマートシティプロジェクトが進められています。先日、トロントで開催されたフォーラムでは、専門家や都市管理部門の責任者を招いて、都市のスマート化が市民のプライバシーにもたらす影響について討論しました。

カナダ・オンタリオ州 プライバシー・コミッショナー Brian Beamish氏

「プライバシー保護の為にできることがいくつかある。まず、人々に監視されていることを知らせる。次に、撮られた画像がきちんと管理されていること。必要のないものは削除する。保存は短期間にし、すぐ削除する」

データの収集は必要なデータだけ最小限にし、個人を識別できる情報は除く必要があります。

スマートシティの構築において、次世代通信規格5Gネットワークの実現によって、データの転送速度が大幅に向上します。その一方で、個人情報とネットセキュリティが新たなリスクに晒される一面もあります。

カナダ・オンタリオ州 プライバシー・コミッショナー Brian Beamish氏

「政府機構がこれらの設備を使用した場合、政府はその責任を負わねばならない。政府はプライバシー保護の責任を民間会社に任せてはならない」

ファーウェイは5G設備の重要なサプライヤーでしたが、昨年孟晚舟CFOの逮捕を受け、その安全性が問題視され、世界的にファーウェイ排除の動きが広がっています。アナリストや安全保障専門家らはカナダも恐らくファーウェイを排除すると見ています。いっぽう、ドルドー首相は中国で拘束されているカナダ人3人の身の安全を考慮し、決定を可能な限り先延ばしする可能性があると見られています。

 

 
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