中国のネット統制は日に日に厳しくなり、最近は海外のSNS使用も監視されています。近日、西安のネットユーザーがツイッターでベネズエラの情勢に関するツイートを転載したことで、警察に呼び出され、500元の罰金を科されました。
中国の人権活動家らが立ち上げたサイト「民生観察」によると、5年前からツイッターを使っている西安の趙衛東(ちょう・えいとう)さんが1月29日、地元警察に呼び出されました。趙さんが1月20日にツイッターで海外ユーザーの投稿を転載したことが原因でした。転載したのは「ベネズエラがいかに世界有数の裕福な国から社会主義独裁国家に変わったのか」という内容でした。
北京人権活動家 張さん
「このことは私もツイッターで知った。趙さんは西安で会ったことがあるが、正直な人で、いい人だった。共産党はどこにでも手を伸ばし、ツイッターまでも封鎖しようとしている。私のアカウントも2回凍結された」
転載したツイートでは、「ベネズエラのマドゥロ大統領は就任後、憲法を変え、メディアを統制し、反体制派を拘束し、デモ参加者を虐殺した。中国共産党の邪悪な体制と監視システムを導入し、中国のZTEが市民の監視システムの構築に協力し、スマートカードを使って市民の行動を追跡している。また中国共産党に倣(なら)って、紙幣を大量に刷っている」と述べています。このツイートはその後、削除されました。
西安人権活動家 封さん
「このことは私も聞いたことがある。趙さんにも会ったことがある。現在抑圧がひどく、我々は一挙一動が監視されている。私も以前アカウントを持っていたが、我々はよく拘束されたりするので、携帯を警察に取られると、多くのものが消されたりする」
中国の人権活動家は、中国では言論統制が厳しいため、ますます多くのネットユーザーがネット封鎖を突破して、ツイッターやフェイスブックなど、海外のSNSを利用していると述べます。
北京の人権活動家 張さん
「ウィチャットでは発言できないので、ツイッターを使うしかない。いくつかアカウントを持っているが、すでに2つ凍結された。だが、ツイッターの場合、凍結されても一部は解除できるので、ウィチャットとは完全に違う。この陣地を最後まで守り通す。共産党がツイッターまで完全に封鎖することはできないはずだ」
中国当局は昨年11月から「ツイート撲滅運動」を進めており、多くのネットユーザーが拘束または警察に呼び出されました。うち、多くの反体制派や専門家、学者のツイッターアカウントが凍結されました。中国の人権活動家は、このことからわかるように、中国共産党は民衆がネット封鎖を突破して海外の情報に接することを恐れていると述べています。