ニューヨーククイーンズ区のフラッシングで2月9日、毎年恒例となった旧正月を祝うパレードが行われ、さまざまな中国系団体が参加しました。しかし、このイベントへの参加資格を2年間抹消されているはずの、ある親共産党団体は当日、約300人に謝礼を支払い、彼らに中国国旗を配布するとパレードが行われる通りに立たせました。アメリカで行われているパレード会場に中国国旗300本がはためくという異様な光景に、多くの市民から非難の声も聞かれました。
米国東部で最大規模の旧正月イベントが9日、ニューヨークで開催されました。60余りの団体が中国文化を披露するなか、法輪功学習者の音楽隊もパレードに参加し好評を博しました。
一方、ニューヨークのフラッシングに拠点を置く親中団体「特定宗教への反対連盟」は今回のイベントへの参加を拒否されていました。2017年に主催者側の規定に背き、彼らのパレードの隊列が中国国旗を掲げたためです。これにより同団体は、2018年と2019年の参加資格を抹消されました。
しかしこの団体は今回も組織的に中国国旗で通りを埋め尽くしました。
「私たちも旗を持ちたいのですが」
「だめです。事前申し込みが必要です」
この「特定宗教への反対連盟」には少なくとも4人の中心メンバーがいることが潜伏取材により明らかになりました。今年のパレードが始まる前、この4人がメインストリート付近で中国国旗を「隊長」と呼ばれる数人に渡し、今度はその「隊長」が自分が集めた人たちに対し国旗を配りました。これは部外者が紛れ込んでこの活動が外部に漏れるのを恐れたためと思われます。
「その旗はどこでもらえます?」
「知りません。私たちは全員、隊長からもらったので」
灰色の服を着たこの男性も「特定宗教への反対連盟」のメンバーの一人です。男性は旗を持つ人たちに謝礼が支払われていることを隠すため、口裏を合わせるよう念を押していました。
「誰かに話しかけられても相手にしないように。金銭のやり取りはない。これはボランティアでやっていることだから」
しかし、あるグループでは欠席者が出たため、このグループの「隊長」は仕方なくこっそり部外者に旗を持たせることにしました。この黒人男性は取材に対し、20ドル払うから旗を持ってここに立っていてほしいと頼まれたと言います。
「お金がもらえるの?」
「ええ」
「いくらですか?」
「20ドルです」
割り当てられた中国国旗を使い切るため、別の「隊長」は覆面取材中の記者に国旗を渡すと、見回りに来た監視員に対し、「この人は知り合いだ」とうそをつきました。
「ほら、旗を持って」
「知り合いなのか?」
「もちろん知り合いです」
ある人物は臨時で駆り出されたため、参加すると謝礼が出ること以外、この活動について何も知りませんでした。
「これは何の活動なんですか?」
「私も知らないのよ。姉妹から呼び出されただけだから」
「謝礼が出る?」
「出るよ」
この日、300もの中国国旗がパレード会場となった道路を組織的に占拠しました。それぞれが立つ場所はすべて前もって決められていました。
「適当に立ってはだめなんです。柵一つにつき一人。それぞれが立つ場所は決められていて、勝手には動いてはいけない」
この団体の目的は単純なものではありませんでした。
「我々は法輪功に反対している」
当日のパレード会場では、この団体の行動を快く思わない市民も多く存在していました。彼らは、こうしたやり方は、中国共産党の力が米国内に浸透していることを中国当局が誇示するための方法だとして非難の声を上げ、米国の法執行機関に対し、この件を注視するよう強く求めています。
「中国の伝統の灯篭を飾るのは構わない。めでたいことだから。だがこんなやりかたをしてはいけない。この旗はある種の『浸透』だ」
「背後に何が存在しているのか。彼らのことは全部調査しなければ」
パレードが終わると、国旗はメインストリート41の46番に運ばれました。男性一人が旗の数を確認すると別の人にお金を渡し、その人物が改めて複数の女性にお金を渡しました。
この事件に対する現地中国系住民の反感や強烈な反論について今後お伝えする予定です。