ベネズエラ、支援物資搬入巡り国境で衝突 米は「具体措置」発表へ

[カラカス/ワシントン 24日 ロイター] – 南米ベネズエラ国境で23日、米国が送った食料や医薬品などの人道支援物資を積んだ車両がベネズエラに入ろうとしたが、マドゥロ政権を支持する治安部隊との間で衝突が発生した。一方、米政権高官はペンス米副大統領がベネズエラ情勢への対応で具体的な措置を25日に発表すると明らかにした。

コロンビアとの国境では、物資搬入を試みた野党支持者らに対し、搬入を阻止しようとする治安部隊が催涙ガスやゴム弾を使用。車両はコロンビアの倉庫に戻った。

搬入されるのはベネズエラで緊急に必要とされる支援物資で、野党は治安部隊が搬入阻止を思いとどまると期待していた。しかしコロンビア当局によると治安部隊約60人が23日に離反したものの、国境での国家警備隊は態度を変化させていない。ブラジルの軍当局者は24日、ベネズエラの国家警備隊の2人が23日夜に離反したと述べた。

ベネズエラと国境を接するブラジルのロライマ州は、銃撃で治療を受けているベネズエラ人の数は18人に上り、全員が重体だと明らかにした。

ベネズエラの犯罪監視団体は、ブラジルとの国境付近で3人の死亡が確認され、全土での負傷者は少なくとも295人に上るとした。

野党指導者のグアイド国会議長は、マドゥロ大統領の失脚に向けて「すべての選択肢」を視野に入れるよう国際社会に訴えた。大半の西側諸国はグアイド氏を国家元首と認めている。

トランプ米大統領は過去に、ベネズエラへの軍事介入は「一つの選択肢」だと発言している。ただグアイド氏は23日はこの発言には言及しなかった。

コロンビアの首都ボゴタでは25日にベネズエラ情勢を協議する会合が予定されており、ペンス副大統領も出席する。米政権高官は24日、ペンス氏が「具体的な措置」と「明確な行動」を発表すると述べたが、詳細には言及しなかった。

ブラジル外務省は声明で「国際社会、特にグアイド氏を暫定大統領とまだ認めていない国に対し、ベネズエラ解放への取り組みに加わるよう求める」とした。コロンビアのドゥケ大統領はツイッターで、23日に「野蛮な行為」があったと批判。25日の会合で「ベネズエラの独裁政権に対する外交的な包囲攻撃を強める方法」を協議する方針を示した。

マドゥロ大統領は、野党による支援物資搬入の取り組みは米国が画策するクーデターの一環だと非難している。

 
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