【動画ニュース】四川省の小学校で給食に腐った食材使用 保護者数千人が抗議

中国では、教育現場でも事件が後を絶ちません。3月11日、湖北省天門市職業高校で3年間在籍したにも関わらず大学入試資格や学籍証書がもらえないとわかり、1000人以上の学生が街頭に出て、大規模デモ抗議を行いました。13日には、四川省の小学校で、給食に期限切れのカビの生えた食材が使われていることが明らかになり、保護者数千人が大規模抗議を行いましたが、警察当局に鎮圧されました。

四川省成都市第7中学校付属の実験小学校で、給食にカビの生えた食材が使われていたことが明らかになりました。

13日、激怒した保護者らが学校に詰め掛けました。学校側に対し説明を求めたところ、警官隊が出動し、保護者らに暴力をふるっただけでなく、催涙スプレーなどで鎮圧しました。

ネットに投稿された動画を見ると、学校の周りで大勢の保護者らが苦しい表情で目をこすっています。

匿名希望の保護者が取材に答えてくれましたが、当時学校の入り口は警察でいっぱいだったといいます。

四川省成都市第7中学実験小学校 保護者

「中学、高校、小学校の保護者らが全部集まっている。昨日よりも人数が多い。幹部は誰も出てこない。一部の保護者は区政府に陳情に行ったが、幹部に会えなかった。一部の保護者らは道路に立って抗議し、一部は学校に来ている」

興奮した保護者らが横断幕を掲げて道路で抗議したところ、警官隊によって止められ、一部の保護者が連行されました。

四川省成都市第7中学実験小学校 保護者

「誰が自分の子どもにこのような物を食べさせたいのか。しかも長期にわたって食べている。抗議していた保護者数人が警察に連行されたが、まずは彼らの釈放を求めることだ」

事件の発端は3月11日でした。この日は学校の植樹の日で、保護者らが学校に招かれ植樹を行っていました。昼食の時間になると、保護者らは子どもたちの食事の様子を見に食堂に行きました。しかし、食堂参観の時に目にしたのは、大量の賞味期限切れの食材やカビの生えた食べ物、そして豚肉や他の肉を牛肉の味に変える食品添加物「牛肉香精」などでした。学校側はこれらは廃棄予定の食材で、食品添加物は高学年の生徒たち向けだと弁解しました。

12日夜、ある保護者がこの小学校の食堂では、賞味期限切れのカビの生えた食品を提供していると投稿しました。添付した写真には、腐った肉やカビの生えた食材が写っています。

四川省成都市第7中学実験小学校 保護者

「うちの子は常に腹痛を訴えていた。子どもの身体の問題だとばかり思っていた。1〜2年間気づかなかった。保護者同士の詳しい交流もなかったので、みな子どもの身体に問題あると思っていた。普遍的な現象だったとは知らなかった」

事件発生後、学校側は倉庫を整理し始め、トラックで問題の食材を別の場所に移動させようとしたところ、保護者らに止められました。このことでさらなる怒りを招きました。

陝西テレビ元記者 馬曉明氏

「変質しカビの生えた食材は業者を通して学校に入るが、学校は利益のために、これらの業者と結託する。保護者千人以上が学校を取り囲み抗議したことは、事態の深刻さを物語っている。みな我慢の限界にきている」

中国の元テレビ局記者の馬曉明(ば・ぎょうめい)さんは、今回の事件から中国の教育現場および社会全体の腐敗を伺い知ることができると述べます。今回のような寄宿学校の場合、食、住の全てを学校側が手配するため、暴利を貪るルートになっているとも指摘します。

陝西テレビ元記者 馬曉明氏

「このようなことは往々にして、生徒らは気づかない。気づいたとしても一部生徒や保護者らは怖くて口に出せない。学校側の権力に対する恐怖心からだ」

情報によると、この小学校の食堂業務を請け負っているのは四川德羽後勤管理服務有限公司(しせん・とくう)という会社で、公式サイトによると、成都市の小中学校20か所の給食を請け負っており、およそ10万人の生徒に食事を提供しています。

事件発生後、四川德羽は公式サイトから関連情報を全部削除しました。

中国のネットユーザーは、「この国はなぜいつも同じことを繰り返すのか!問題を起こした人を裁くのではなく、問題を指摘した人がいつも裁かれてしまう」と嘆いています。

 

 
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