米研究機関「人口問題研究所」のスティーブン・モッシャー所長はこのほど、中国当局は現在世界最大のDNAデータベースを構築していると指摘しました。専門家は、中国共産党のDNA収集の対象は中国人からすでに外国人にまで広がり、人類のDNAデータベースを武器化する可能性があると指摘しています。
DNAは人体細胞の中の遺伝子情報に影響を与える分子です。数年前から世界は、中国当局が中国人のDNAを大量収集していることに気づきまた。しかし現在、その魔の手は海外にまで伸び、世界最大のDNAデータベースを構築しています。さらには、DNAデータと監視ツールを利用して、デジタル全体主義国家を作り上げようとしているのです。
米人口問題研究所」(PRI:the Population Research Institute)のスティーブン・モッシャー(Steven Mosher)所長はこのほど、英語版大紀元に寄稿し、中国当局が各国のバイオテクノロジー企業を通じて人間のDNAデータを収集し、データベースを構築しているが、武器化する可能性があると警告しました。DNAを組み立てて生物兵器が作られた場合、狭い範囲ではターゲットとなる個人およびその家族に打撃を与え、広い範囲では特定の人種を消滅させることも可能であるとのことです。
中国共産党には人民解放軍、政治宣伝および統一戦線という3つの「魔法の武器」があると言われます。モッシャー氏は、DNAを利用した「生物兵器」が4つ目の魔法の武器であると考えています。
時事評論家の唐靖遠(とう・せいえん)さんも、DNAデータベースは中国共産党によって武器として使用される可能性が高く、DNA兵器は一般の生物兵器よりも恐ろしいと述べます。
時事評論家 唐靖遠氏
「生物兵器は無差別殺傷ができる。この種の兵器を使用すると、敵だけでなく我軍をも傷つけることになる。細菌には敵と味方を区別する能力がない」
唐さんは、一般的な生物兵器は一旦抗体が現れるとその効能を失うが、DNA兵器はターゲットを定めて正確にダメージを与えることができると示します。たとえば、外交官、政治家、政府や軍の高官などです。
時事評論家 唐靖遠氏
「この技術を応用し、特定の民族に対し、広範囲において壊滅的な遺伝子攻撃を仕掛けることも可能だ」
モッシャー氏の文章によると、政府とつながりを持つ中国のゲノム解析大手、BGI(深圳華大基因科技有限公司)は2013年、ヒトゲノムの解析を行うアメリカのコンプリート・ゲノミクス(Complete Genomics)社を買収。これにより、BGIは大量のアメリカ人の遺伝子情報を含むDNAデータベースを手に入れました。
中国の通信機器大手、ファーウェイ同様、BGIも中国政府から助成金の援助を受けています。BGIは2010年、中国開発銀行から5500億ドルの融資を受け、DNA配列の自動解読装置であるシークエンサーを購入しています。
アメリカのあるバイオテクノロジー会社の副社長、懷海鷹(かい・かいえい)さんは、民族によってDNAの特徴が違うが、この特徴を利用して、特定民族をターゲットにした兵器を作ることも可能だと述べました。
米バイオテクノロジー会社 懷海鷹氏
「解析が成功した場合、これらをモノを作りあげ、多くの人を壊滅させることができる。あるいは特定民族を消滅させることもできる。海外でDNA研究を行う生物学者の多くが中国人であり、彼らの多く中国と協力関係にある。多くは海外に会社があり、中国国内にも拠点がある。中国国内では制限が少ないし、国が支援している」
懷さんは、DNAの研究開発は両刃の剣であり、ゲノム解析を行う企業も当初は、人類のDNAと疾病の関係を研究するのが目的だったかもしれないと示します。
米バイオテクノロジー会社 懷海鷹氏
「遺伝子と癌または疾病との関係について知りたかったのだろう。正しく用いると、人類の幸福を築くことができるが、そうでないと遺伝子兵器や生物兵器に走る。人類に危害をもたらしたいのであれば、この可能性はあると思う。この種の兵器は今のところ、私の知っている限り、まだない。しかし、どこまで発展できるのかはわからない。彼らはゲノム編集ベビーさえ作れるのだから」
唐靖遠(とう・せいえん)さんは、DNAはウイルスと組み合わせて、特定グループをターゲットにした致命的なウイルスを作り出すことができるほか、遺伝子の組み替えで食物を汚染させることで特定グループの人々の免疫システムに損傷を与えることも可能であると述べます。
時事評論家 唐靖遠氏
「ある特定の民族をターゲットにして、致命的な病気に感染させたり、遺伝子を汚染させることで、その民族の子孫に代々特定の生理的欠陥や合併症が現れるようにすることもできる。最終的には、ナチスの大虐殺のような大量殺人的な効果を得ることができる」
モッシャー氏は文章の最後に、この種の兵器の開発において、中国共産党はいかなる良心の呵責を覚えることはないのは明らかであると述べています。罪のない信仰者を捉えて迫害し、彼らを生きた臓器のデータベースとしてみなし、その臓器を費用を払って臓器移植を求める人に提供するような政権は、明らかに人の命を金儲けのための商品としかみなしていないのです。