4月4日、米国では国会議員40人が連名で、中国新疆ウイグル自治区の共産党書記、陳全国への制裁を米国政府に呼びかけました。報道によると最近、多くのウイグル人が行方不明になっています。一例を挙げると、カザフ自治州では最近数十万人が、秘密裏に別の場所に移送されています。また、中国当局は収監者らを陝西省や甘粛省、さらには東北部の黒竜江省に移送しているとの情報も伝わっています。英国に亡命したウイグル人で元外科医のエンヴァー・トフティ(Enver Tohti Bughda)さんは、大量のウイグル人が臓器狩りの危険に直面していると危惧しています。
第二次世界大戦期間中、多くのユダヤ人が家畜用貨物車で収容所へ送られました。似たようが状況が共産党統治下の中国で発生している可能性が指摘されています。
新疆の元外科医エンヴァー・トフティさんは、中国のある異常事態に気づきました。
新疆鉄道局中心病院元外科医 エンヴァー・トフティさん
「昨年10月、当局は新疆発列車のチケット販売を中止すると発表した。しかし、列車の運行は続いていた」
トフティさんがネット上の書き込みを調べた結果、多くの地域で突然収監者が大量に増えていることを地元の住民が発見したといいます。
新疆鉄道局中心病院元外科医 エンヴァー・トフティさん
「内陸部や沿岸部からも、次々この情報が書き込まれている。地元刑務所の職員さえ知る権限がないらしいが、上からの指示で来た特殊警察が見張っているという。地元の人は収監者は全員テロリストであると知らされたという」
トフティさんは1995年、新疆の病院で外科医として勤務していたとき、上司の命令で生きた死刑囚から臓器を摘出しました。中国当局の最近の動きに不安を感じたトフティさんは、大量の収監者が目撃されているこれらの地域をGoogleマップにマークし、臓器移植手術を行っている移植センターの所在地と比べてみることにしました。結果、恐ろしい一致を発見しました。
新疆鉄道局中心病院元外科医 エンヴァー・トフティさん
「新疆の「テロリスト」が収監されている刑務所の近くには1〜2か所、多いところは3〜4カ所の臓器移植センターがあることに気づいた。これらの人々を収監している目的は彼らの臓器が目当てだろう。別の理由があるのなら、中共に説明してもらいたい」
トフティさんによると、昨年6月、新疆当局の公式サイト「天山網」に、ウルムチ近郊にある火葬場の募集広告が載っていましたが、警備員を50人も募集していたそうです。
新疆鉄道局中心病院元外科医 エンヴァー・トフティさん
「火葬場に遊びに行く人はいない。なぜ50人もの警備員が必要なのか。何かを隠蔽しているとしか考えられない。火葬する遺体が増えたこと以外に、遺体の一部がなくなったりしていないか。つまり、臓器がなくなっているとか」
トフティさんは、中国当局が収容所を大量に増やしていることから臓器狩りがさらにやりやすくなったと指摘したうえ、ウイグル人は自分の家族が失踪したとしても、連座を恐れて届け出ることもできないだろうと述べます。たとえ届け出たとしても、望む結果は得られないとのことです。
あるネットユーザーが4月4日、台湾の掲示板に匿名で投稿しました。新疆の交換学生として台湾を訪れたことのあるこのユーザーによると、ウイグル語教師の母親が逮捕され、罪を認める供述を強要されたうえ、10年判決を下されたそうです。
トフティさんは、中国共産党による迫害はウイグル人全体に及んでいる可能性があり、共産党思想を信じない人は全て迫害の対象になるだろうと述べています。
新疆鉄道局中心病院元外科医 エンヴァー・トフティさん
「中共の迫害は民族全体に及んでいる可能性があり、誰も逃げられない。ヒトラーがユダヤ人にやっていたことと同じだ」