4月7日は台湾の言論の自由の日です。高雄市では民間団体による「一国二制度」反対デモが行われ、1000人以上が参加しました。学生運動家の林飛帆(りん・ ひはん)さんもデモに参加し、高雄の韓國瑜(かん・こくゆ)市長が中国当局との了解覚書(りょうかいおぼえがき)に署名したことを非難し、台湾の利益を犠牲にした馬英九元総統の古い道に戻ろうとしていると批判しました。
4月7日に行われた集会では、中国の習近平主席が1月2日に行なった演説「台湾同胞に告げる書」を破るパフォーマンスを行い、一国二制度への抗議を示しました。デモには複数の民間団体から1000人以上が参加しました。
経済民主連合 賴中強氏
「一国二制度、平和合意への我々の反対の意を表明すると同時に、台湾の民主主義を売り払った韓國瑜市長に抗議する」
デモでは一国二制度への反対を訴えると同時に、高雄市長、韓國瑜氏が香港の中央政府連絡弁公室を訪れ、中国当局との覚書に署名したことを批判しました。
ひまわり運動学生リーダー 林飛帆氏
「韓國瑜市長が密会での談判で中共とのMOUに署名し、香港の中央政府連絡弁公室で秘密裏に談判を行なったことは受け入れられない。彼は明確な目的を持って中央政府連絡弁公室に入った。それはつまり、台湾にも一国二制度の支持者
がいると国際社会にアピールするためだ」
中国共産党は台湾で、ネット有名人や特定団体のフェイスブックアカウントを買収したりすることで選挙のための世論操作に介入していますが、デモ参加者らはこれはすでに宣戦布告のない模擬戦争であると指摘します。
台北大学犯罪学者 沈伯洋氏
「非軍事的手段には、他国に断交を迫る、金融システムを破壊する、社会に浸透し、破壊するなどがある。これらは皆がよく知っている手段で、中共が今、我々に行なっていることでもある」
いっぽう、高雄市当局は声明を発表し、「市民の集会の自由は尊重するが、デモは言論の自由の名の下で言論の自由に反対しており、戦争の名を借りて台湾の民衆を脅している」とデモ参加者を批判しました。さらに、「韓市長は赤いレッテルを恐れずに、経済発展のために力を尽くす」と強調しました。
高雄市民
「台湾は私が生まれ育った故郷なので、他の国の統治を受けたくない。特に共産党の独裁国家はなおさらだ。我々には今、言論の自由、集会の自由があるが、これらがなくなるかもしれない。中共が新疆やチベット自治区で行なっている暴挙を見ると、中共による統治をさらに拒みたくなる」
政治家の中のゴミを一掃するという意味を込めて、市民らは箒を持ってデモに参加しました。またフェイスブックで一国二制度への反対を表明し一躍有名になった地元のアイス店が、参加者らにアイスキャンディー300本を無料配布しました。