内モンゴル自治区に対する中国当局の抑圧が日増しに高まっています。通遼市やヒンガン盟を始めとする複数の地域の遊牧民が、放牧地問題をめぐる争議を解決するため陳情に向かったところ、警察によって拘留されました。アナリストは、遊牧民の陳情権は先が見えない状態に陥っているが、これは当局に問題を解決する意欲がないからだと述べています。
ラジオ・フリー・アジアの4月8日の報道によると、内モンゴル自治区通遼市の遊牧民3人がフフホト市に陳情に訪れたところ、警察によって居住地に連れ戻され、行政拘留を科せられました。
ラジオ・フリー・アジアが入手した通知書によると、この3人は「言いがかりをつけ、騒ぎを引き起こした罪」に問われており、それぞれ10日間の行政拘留が課せられました。
内モンゴルのヒンガン盟ホルチン右翼中旗の付宝石(ふ・ほうせき)さんは、地元でも遊牧民3人が陳情のため北京に向かったところ、拘留されたと語っています。
内モンゴル自治区ヒンガン盟ホルチン右中旗 付宝石さん
「数日前に北京に行ったが、地元に連れ戻されて拘留された」
内モンゴル・シリンホト市の農民、王さんは、内モンゴルの遊牧民が陳情に出た際に拘束されるのは珍しいことではなく、自分の身内だけでも3人が逮捕され、不当な判決を受けたと語っています。
内モンゴル自治区シリンホト市の農民 王さん
「私の姉は半年、父は1年3カ月、義理の兄は1年の実刑判決を受けた。土地問題に触れると違法に拘束される」
内モンゴルのある教師も、内モンゴルには今、非常に緊迫した空気が流れており、警察はむやみに人を拘束していると語っています。この教師自身もSNSの微信(ウィーチャット)に政治的な発言を残したことで警察から呼び出され、学校側はすべての教師に対し、「国の指導者に対する的外れな論議をしてはならない」と警告しました。
クリルタイ(世界南モンゴル会議)の席海明(ショブチョード・テムチルト)代表は、「遊牧民の陳情の権利はすでに先が見えない状態に陥っている。これは当局に問題を解決する意欲がないからだ。ひざまずいて権利を訴えても問題は解決されない。
この国はもうどうしようもない。我々は次に何をすべきかを考えるしかない」と語っています。