無神論を主張する中国共産党は、政権を握ってから、各種宗教の締め付けに手を緩めたことがありません。キリスト教の十字架の強制撤去に続き、最近は各地で仏像の撤去を行っています。
山東省平度市開発区城東埠村の民俗文化園にある「山東第一観音」と呼ばれる観音像は、2011年に200万元(日本円で約3300万円)を費やして作られました。白い大理石で作られた高さ21メートルのこの立像は、村の人々や観光客が多く参拝していました。
地元村民がオンライン雑誌「ビター・ウィンター」に伝えたところによると、昨年秋、当局から迷信を広めてはならないとの理由で観音像の撤去を命じられました。
観音像の撤去に消極的だった村の幹部たちは、対策を考えました。最終的に観音像の胴体部分は残して、頭部を孔子に変えるといった奇策を思いついたのです。孔子は中国伝統文化の中の聖人だから、孔子を記念することを迷信とは言えないだろうと思ったからだそうです。
そして3ヶ月後、40万元以上の資金を投じて、観音像が孔子像に生まれ変わりました。「聖泉観音」の刻印と蓮華座がなくなり、左手の水瓶(すいびょう)は竹簡(ちくかん)に変わりました。色も当初の白からブロンズに変えられました。
観音菩薩の体に孔子の頭を持つ、なんとも滑稽な混合像を目の当たりにし、村民らは戸惑い、「毛沢東時代に戻ったようだ。神仏を信じることが禁じられ、共産党だけを信じろと言われている」と憤慨しています。
河北省石家庄平山県の絶壁に彫刻された、高さ57.8メートルの世界最大の「滴水観音像」も、今年2月2日、当局によって爆破されました。