【動画ニュース】トランプ大統領が関税引き上げ表明 北京の後戻りが原因?

米中貿易協議は94.5%が合意を達成し、大詰めを迎えていると報じられましたが、5日、トランプ大統領は突然、中国製品に対する関税引き上げを発表しまし
た。

トランプ大統領は5日のツイッターにおいて、中国製品2千億ドル(約22兆円)分に対して、5月10日から関税を現在の10%から25%に引き上げると発表しました。さらに、まだ関税をかけていない3250億ドル分についても間も無く25%の関税を発動すると表明しました。トランプ大統領は米中貿易協議の進展が遅すぎると不満を示し、中国側が再交渉を試みているがそうはさせないときっぱり表明しました。

在米時事評論家 唐靖遠さん
「トランプ大統領の目的は、北京に圧力を加えて、今週の協議で構造改革の合意を引き出すことだ。同時に、中共の延長戦に対する厳しい措置でもある。目的は延長戦の局面を打破し、中共のステップを乱すためだ」

昨年12月に習近平氏と会談を行なった後、トランプ大統領は関税の引き上げを延期し、協議の余地を残してあげました。今回突然引き上げを発表したことについて、外国メディアの報道によると、中国側がすでに合意した協議について北京の指導部に報告したところ、否決されました。前回の協議で中国側は国有企業に対する補助金問題と外国企業に対する強制的な技術移転問題について合意しましたが、同意しないことを改めて米国側に伝えました。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表からこのことについて報告を受けたトランプ大統領は、即刻関税の引き上げを決定したとのことです。

米国サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクール 謝田教授
「中国側が協議の中で譲歩したことを本当に実行するとなると、中共は中国経済をコントロールできなくなり、中共既得権益集団の経済利益を失うことになることを意識したのだろう。そのうえ、党内の反対勢力も攻撃を仕掛けてくる可能性がある。この角度から考えて譲歩しないと決めたのだろう。言い換えれば、中共は経済が引き続き悪化するリスクを犯してでも、経済に対する主導権を手放したくないのだろう」

トランプ大統領の関税引き上げの発表後、中国外交部は6日、中国の代表団はワシントンでの協議のために準備を進めていると述べました。一方、香港のメディアは、劉鶴(りゅう・かく)副首相は協議に参加しない、あるいは訪米日程を短縮する可能性があると報じています。

米国サウスカロライナ大学エイキン校ビジネススクール 謝田教授
「米中貿易協議は失敗に終わる可能性がある。今の時点で中国側が譲歩した部分は、米国側を満足させることはできない。北京がこの程度の譲歩すらできないのなら、中国側は永遠に米国の要求に応えられないことを意味している」

トランプ大統領の関税引き上げについて、米民主党も珍しく支持を表明しました。チャック・シューマー上院院内総務は5日のツイッターにおいて、「トランプ大統領には中国に対する強硬な姿勢を貫いてほしい。実力は中国を勝ち抜く唯一のルートだ」とコメントしています。

一方、中国では今回の関税引き上げに関する投稿が全て削除され、メディアによる報道や評論もすべて禁止され、新華社の報道を転載するよう求められています。

 
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