【動画ニュース】「大国」を笠に着る中国人 台湾で暴言 ネットユーザー「党文化の産物」

紀元前1046年ごろに開かれた中国古代王朝、周の周公は、「礼の国」と呼ばれる中国の伝統文化の基盤を打ち立てました。しかし共産党政権下の中国では、礼を重んじているとは言いがたい中国人観光客が後を絶ちません。最近、台湾を訪れた中国人女性がある台湾スイーツの店で、客は立ち入り禁止と記されているにもかかわらず厨房に立ち入って店主を怒鳴りつける様子がインターネットに公開され、物議を醸しています。

この動画から、中国人観光客が店のカウンター内に立ち入ると、なんとかなだめようとしている店主を罵倒する様子が見て取れます。それだけでなく、この女性は床に痰を吐き、台湾は「おんぼろ」だと大声で罵りました。警察が到着してようやく女性は立ち去りました。

店主:「あなたの国では所構わず痰を吐くのか。ご立派なことだ」
中国人観光客:「そんなの当然よ。私たちの国はそういうマナーなんだから」
店主:「私たちの国では勝手に痰を吐いたら罰金だ」

この観光客は4月23日にこのお店を訪れ、立ち入り禁止と記されているにもかかわらず厨房に立ち入って注文し、店主から注意を受けると逆に「台湾は大陸に養ってもらっている。何をやっても(中国に)かなわない」などと言い返しました。店主は警察に通報しました。

店主:「入らないでくれと言っているんだ。大陸とは何の関係もないだろう?」
中国人観光客:「私と張り合うな。言っとくけど、私は旅行で来ているのよ」
店主:「旅行で何しに私の店まで来たんだ」
中国人観光客:「あなたから物を買おうと思って来たのよ。自分が入り口をちゃんと閉めておかなかったくせに、なぜ私のせいにするの?」

警察が到着するとこの観光客は真っ先に「店側が厨房の入り口をきちんと閉めていなかった。ここが立ち入り禁止なのを知らなかった」などと弁明しました。警察はこの女性を辛抱強く説得し、騒ぎはようやく収まりました。

この動画がネットに公開されるとまたたく間に拡散され、中国と台湾のネットユーザーの間で大きな議論が沸き起こりました。

中国の呉さん
「この女性の無知ぶりには色々な原因がある。一つは中国共産党による洗脳だ。そして彼女自身もこうした知識を受け入れたくないと思っている。確かに中国人はどこでも痰を吐くのが好きだが、彼女のような横暴な態度の中国人はやはり一般的ではないと思う」

台湾のネットユーザーの間では、これは共産党に洗脳されたために行ったことだと考えられています。

あるネットユーザーは「文化大革命が終わったら、中国文化はもはや漢文化と大きく異なるものになってしまった。善人を欺き悪人を恐れる濃厚な闘争文化だ」「文化大革命による人間性の変化が、中国人を最も人から蔑(さげす)まれる人類に変えてしまった。中国人の醜さがこの世界を変えつつある」と語っています。

台湾国連加盟意思伝達団の元メンバー 王奕凱氏
「中国のネットユーザーはこれを一種の党文化だと語っている。台湾では共産党による洗脳だと言われている。実際にあの女性は長年にわたり、『台湾は中国に非常に依存している』と大陸で教えられてきたのだろう。これは民族主義宣伝がもたらした悪い結果だと思う」

中国人でさえも、中国人観光客の迷惑行為にはへきえきしています。中国のあるネットユーザーは「この店主は誠実で善良だ。中華民国のおかげだ。中国人には教養がない。他人を尊重することを知らず、いたるところで恥をさらす」と漏らしています。

中国人の呉さん
「中国大陸の人間の包容力は台湾人の包容力には及ばないだろう。なぜなら私を含めた中国人はすべて、『狼に養われた文化』で育ってきたからだ。この『赤い文化』に洗脳され、蝕まれてきた時間は長すぎる。だから恐らく、他人を思いやるという心は持ち合わせていないだろう。正直に言って、私はこの女性に同情しない。『気の毒な人』には必ず『気の毒な部分』があると思っている」

中国のあるネットユーザーは台湾人に対し、「この事件によって台湾人は、『一国二制度』を受け入れた場合の結果を直観的に理解できるはずだ」と注意を促しています。

台湾国連加盟意思伝達団の元メンバー 王奕凱氏
「台湾はこのことに警戒心を持つべきだし、台湾人に警戒するよう呼びかける必要がある。中国共産党政権と自由な台湾との間のいさかいを放置することはできない。私たちは共産党による台湾の侵略を食い止めなければならない」

ドイツの国際放送ドイチェ・ヴェレは、中国人女性と台湾の店主が言い争う動画が、台湾のネットユーザーによる、統一と台湾の主権についての激しい議論をまたも巻き起こしたと報じています。

台湾国連加盟意思伝達団の元メンバー 王奕凱氏
「台湾にとってみれば、民主主義や自由は普遍的なものだ。だから台湾人は中国人のこうした心理状態は特殊な事例だと思うかもしれない。中国人がどんな教育を受け、どのように考えるのか、どんな偏見を持っているのかを、台湾でも実は多くの人がよく理解していない。ひとたび台湾が中国に呑み込まれ侵略されたら、こんな人間がもっと増えてくるだろう」

米国在住の台湾政治の研究家、陳方隅(ちん・ほうぐう)氏はドイチェ・ヴェレの取材に対し、「多くのシンクタンクや研究機関が指摘しているように、台湾は中国共産党の統一戦線を実践するための最前線であり、中国共産党はこの分野に少なからぬ資源を投入している」と述べています。

 
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