香港で10日、上水の食肉処理場でアフリカ豚コレラのウイルスが検出されました。感染拡大を防ぐため、香港政府は翌日に豚を殺処分する予定でしたが、業者の反対に遭いました。数日間の交渉を経て、6000頭の豚の殺処分を決定し、13日に作業が開始されました。
アフリカ豚コレラのウイルスが検出された豚は中国・広東省の農場からの豚で、5月2日にサンプリングが行われました。リンパの腫れが発見されましたが、獣医がアフリカ豚コレラではないと判断したため、10日になって、ようやく感染が確認されたとのことです。
13日、防護服を身にまとった職員たちが香港新界にある上水食肉処理場に入りました。昼頃から電気ショックによる殺処分作業を開始し、午後3時すぎに豚の死骸が埋立地に運ばれました。
生肉大聯盟によると、殺処分は2日間に分けて行われ、食肉処理場は早くて1週間後に再開するとのことです。
香港生肉大聯盟 関国華副主席
「殺処分は必ず明日完了させる。8時にスタートし、残りの2000頭を処分する。獣医による検査の後、再開する。1週間のうちに完成させるつもりだ」
香港の豚取引業協会(豬肉行總商會)は、香港政府は市場価格に相当する補償金として2000万香港ドル、日本円でおよそ2億8000万円を支払うことに決定したと発表しました。
中国では昨年8月に初のアフリカ豚コレラの感染が確認されてから、今年4月までに31の省・自治区・直轄市に広がり、100万頭以上の豚が殺処分されました。
アフリカ豚コレラの感染例は現在、中国以外にも、モンゴル、ベトナム、カンボジアなどでも確認されています。台湾行政院農業委員会は、この4カ国以外にも、タイ、ミャンマー、ラオス、北朝鮮などからの手荷物も検査強化の対象に定めています。